長身女性向け洋服に伝統の技 伊勢型紙で装いUP

2019年7月30日 16時00分

伊勢型紙を使ったスカートを着こなす大倉さん=アテヤカ提供

 背が高い女性の気分が上がる服が少ない-。そう実感していた女性が「伊勢型紙」を使ったブランドを東京・港区で立ち上げ、ワンピースなどをインターネットで受注販売している。伊勢型紙は三重県鈴鹿市の伝統工芸で、着物を染める道具として発展したが、近年は着物の需要減から職人も激減。厳しい状況が続く中、高身長の女性の魅力を引き出す道具として、新たな輝きを手に入れた。 (吉川翔大)
 このブランドは高身長の女性向け「ATEYAKA(アテヤカ)」で、昨夏から和の要素を取り入れた洋服を販売している。運営する大倉加奈子さん(35)は身長一八〇センチ。気に入った服を見つけても丈が短かったり、着こなしのバランスが取れなかったりした。「服は着た人の気持ちを変える。背が高いことは日本だと異質とされがちだが、そのままの姿で生き生きとしていられるようにしたい」とブランドをつくった。
 伊勢型紙を使った洋服は今年四月に発売。伊勢地域のPRに携わる元同僚に紹介され、手作業で精巧に仕上げる職人技に心を奪われた。昨年十一月には鈴鹿市のオコシ型紙商店を訪問。数百枚の型紙に目を通し、キクとボタンを大きく描いた柄の型紙を購入した。「大きな柄は目立ちやすいが、高身長の女性だと普段使いの服にしやすい」と話す。
 製品化したのはワンピースやワイドパンツ、ブラウス、スカート。ピンクや、オレンジと紺の二色使いなどで生地を染めた。繊維を薬品で溶かしてレース生地のようにする加工技術を使い、型紙と同じ形の透かし模様にした服もある。
 大倉さんは「『長身女性の本来持つ美しさと、抜群の存在感を最大限まで引き出す』というブランドのコンセプトを体現した服になった。伝統を身近に感じてもらえればいい」と話している。
 オコシ型紙商店の起(おこし)正明社長(55)は「伊勢型紙の活用方法を若い人が考えてくれた」と喜ぶ。新たな活用方法を模索する中、「歴史に敬意を払った上で、今の時代に合うものを生み出したい」と大倉さんに刺激を受けていた。
 アテヤカの服は一センチ単位で大きさを調整でき、主に三万円台で購入できる。ホームページで注文を受け付けている。

伊勢型紙を使った洋服の生地=三重県鈴鹿市のオコシ型紙商店で

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