シベリア 抑留者遺骨取り違えか 日本人以外のDNA

2019年7月30日 02時00分
 太平洋戦争後に旧ソ連に抑留され、シベリア地域で死亡した日本人のものとして、厚生労働省の派遣団が五年前に収集し、持ち帰った十六人分の遺骨について、全ての骨が日本人のものではない、もしくは日本人のものではない可能性が高いとのDNA型鑑定結果が昨年八月に出ていたことが、分かった。埋葬地を誤った可能性がある。同省は発表しなかったことについて「鑑定結果の精査や整理に時間がかかった」としている。
 戦没者遺骨の収集事業を巡っては、フィリピンでの事業が「現地住民の遺骨が含まれている」との指摘を受け、二〇一〇年から一八年まで中断したことがある。厚労省は、遺骨収集事業での取り違えの可能性について「他にも全くないとは言えない」としており、埋葬地の選定方法など見直しを迫られる可能性がある。
 厚労省などによると、同省が職員を派遣し、一四年八月にロシアのザバイカル地方から持ち帰った遺骨についてDNA型鑑定を実施。同省が昨年八月に開いた戦没者遺骨の鑑定に関する会議で、専門家が、このときに持ち帰られた遺骨に関する鑑定結果を示し、取り違えを指摘。今年に入ってからは「遺骨をロシアに返すべきではないか」との意見も出ていた。
 同省の担当者は二十九日、取材に「地図や近隣の人への聞き取りで日本人の埋葬地を特定した。現地の鑑定人が『形状から日本人である確度が高い』としたため、持ち帰った」と説明。日本人の可能性が低いとされた遺骨は同省内の霊安室で保管しており、ロシア側と返還について協議したいとしている。
 厚労省によると、今年三月末までに三十四万四千五百六十六人分の戦没者遺骨を収集し、そのうち旧ソ連地域からは一万八千六百八十九人分だった。旧ソ連地域から収集された遺骨のうち千百三十五人分はDNA型鑑定で身元が判明している。

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