「留守なう」 空き巣見てる SNS投稿、注意を

2019年7月29日 16時00分

台湾訪問の予定をつぶやいた高須院長のツイッター。この翌日に空き巣被害に遭った

 空き巣などを繰り返す窃盗グループが、会員制交流サイト(SNS)の情報から標的を定めるケースが出ている。海外に出掛けると投稿した直後に愛知県日進市の別宅が被害に遭った美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(74)は、SNSへの投稿を「なめていた」と振り返る。帰省や旅行する機会が増える夏、注意が必要だ。 (河北彬光)
 「明後日から台北の神社に台湾加油(頑張れ)しに行きます」
 高須院長は五月三日、ツイッターで台湾訪問の予定をつぶやいた。空き巣被害に遭ったのは翌四日未明。
 別宅のドアがこじ開けられ、金塊七キロとパソコン(三千四百万円相当)が盗まれた。少なくとも三人組が別宅のカメラに写り、数分で去ったという。
 当時、出国を控えて東京都内のホテルに滞在し、別宅は留守だった。捜査関係者は「海外へ行く直前は人がいないと考えるのが自然。金塊があることを把握した上で、ツイッターを見て、不在だろうと狙った可能性がある」とみる。
 取材に、高須院長はツイッターへの投稿を「僕、なめていたんですよ。よく『なう』と書くんだけど、今ここにいるという意味。リアルタイムで報告しているわけだから、彼らにとっては役に立っているのかも」と話した。
 ツイッターを頻繁に利用するが、情報が悪用される恐れがあるとは想定していなかったという。「以前は位置情報も全部付けていたし、やばい状況を気楽に投稿していることは結構ありました。皆さん、注意しましょうね」と呼び掛けた。
 実際に、SNSの投稿情報から空き巣に入ったケースも明らかになっている。
 昨年一月、被害に遭った同県稲沢市の男性(22)は、インスタグラムに高級ブランド品や高級外車の写真を頻繁に投稿。
 二十代の男五人のグループは車や自宅周辺の風景から男性の住所を特定し、外出時を狙って現金三十万円のほか、ブランド品など二百万円超相当を盗んだ。男らは「インスタの情報から金品があると分かっていた」と供述したという。
 留守や財産状況が分かる投稿は、犯人側にとって貴重な情報だ。捜査関係者は「旅行などの情報はすぐ投稿するのではなく、帰宅後が望ましい。自宅周辺の写真も安易に投稿しない方が安全」と指摘する。

◆昨年の侵入盗被害 埼玉ワースト

 窃盗グループはSNS以外にも、多様な手段を駆使して情報を仕入れている。
 捜査関係者によると、よく悪用が疑われるのが昔の名簿。名前のほか住所も記され、狙いを付ける目安になる。さらに高級住宅へ出入りする業者や繁華街の飲食店関係者から、裕福な人の情報を入手するケースもあるという。過去に愛知県警が摘発したグループから、被害者宅の金庫の位置まで細かく手書きしたメモが押収されたこともある。
 警察庁によると、全国の侵入盗被害は昨年一年間で六万二千七百四十五件発生。前年より14%減った。都道府県別では、埼玉が四千九百七十三件でワースト。続いて、愛知が四千八百五件、千葉が四千六百六十四件、東京が四千五百七十五件だった。
 侵入に五分以上かかると犯人の七割が諦めるとの統計もあり、捜査関係者は補助錠や防犯ガラスの設置、外出時の雨戸やシャッターの使用、確実な施錠を呼び掛けている。

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