ゾウ、1年で260キロダイエット 主食低タンパクに 餌8カ所に分散で運動

2019年7月29日 16時00分

(左)2017年2月に撮影されたコサラ。下っ腹や脇腹の肉にたるみが見られる (右)全体的に引き締まり、尻の筋肉も厚みが増したという =名古屋市の東山動植物園提供

 東山動植物園(名古屋市千種区)のアジアゾウの雄「コサラ」が、1年間のダイエットで260キロの減量に成功した。一時は体重が4600キロを超え、太り気味で命の心配もされたほど。引き締まった体を手に入れ、雌ゾウとの恋の行方も注目されている。 (水越直哉)
 コサラは十五歳。人間の年齢に置き換えてほぼ同じで、育ち盛りの年ごろだ。飼育員の鈴木哲哉さん(43)によると、「狭い獣舎で夜過ごす暇つぶしになればと、飼育員が帰る前に干し草をたくさん与えていた」結果、二〇一七年は一年で体重が四百キロも増加した。
 その年の暮れ、“事件”は起きた。ゆるい階段で足首をひねったのだ。ゾウが脚を痛めて立てなくなると内臓が圧迫されて数時間で死に至ることがある。幸いすぐに回復したが、そもそもけがをするような激しい運動ではない。「太りすぎが原因では」と、飼育員らから心配する声が出た。
 動物の肥満度を十段階に分ける指標「ボディー・コンディション・スコア(BCS)」を確認したところ、太り気味の「7」の結果に。年明けから早速ダイエットを始めた。
 まず取り組んだのが「こんにゃく作戦」。主食を低カロリーのこんにゃくに置き換える人間のダイエット法になぞらえ、干し草を低タンパクの品種に変更。量も一日七十キロから四十キロに減らした。代わりにかみ砕かないと食べられないドングリの木を十キロ与え、満足感を得られるよう工夫した。
 閉園時間帯に過ごす獣舎も二部屋を自由に行き来できるよう改め、餌も約八カ所に分けて置くことで、運動量の増加を狙った。
 体重は春先にいったん四六二〇キロまで増えたが、その後は順調に減り続け、一年で二百六十キロの減量に成功。下っ腹や脇腹のぜい肉が減り、BCSは適正の「5」まで改善した。二十歳ぐらいまで成長するが、ダイエットは継続してスマートな体形を維持させるつもりだ。
 そんなコサラに今後、期待がかかるのがパートナーの雌アヌラ(十七歳)との繁殖。二頭の間では園で初めて繁殖に成功し、一三年に雌のさくらが生まれている。鈴木さんは「締まった体を維持して再びアヌラの心をつかめば第二子が見られるかも」と期待する。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧