「ぶつからない」渋谷のお守り スクランブル、16年以降歩行者事故なし

2019年6月21日 16時00分

歩行者が巻き込まれる交通事故が最近起きていない渋谷スクランブル交差点と、「災難に遭わない」願いを込めた「渋谷御守」=いずれも東京都渋谷区で

 一度に数千人が行き交うこともある東京・渋谷のスクランブル交差点。ハロウィーンや年越しカウントダウンでの騒動が問題にもなっているが、実は歩行者が巻き込まれる交通事故は少なくとも二〇一六年から起きていない。渋谷区観光協会は「災難にぶつからない」という意味を込めて、交差点を描いたお守りを製作。渋谷駅周辺の宝くじ売り場で販売している。 (神谷円香、福岡範行)
 渋谷スクランブル交差点は、歩行者と車両が通る時間を完全に分ける完全歩車分離の方式。歩行者信号が青の時に車が交差点に進入しないため、物理的に接触が起きにくい。警視庁交通総務課によると、同じ方式の交差点は都内に四十九カ所ある。「渋滞が起きにくいようにする」などの理由で右折を禁止するところもあり、渋谷の交差点も基本的に車は右折できない。
 警視庁がインターネットで公開している「交通事故発生マップ」によると、一六年以降で渋谷スクランブル交差点で起きた事故は同年の四件、一八年の二件のみ。死亡事故はなく、歩行者や自転車は関係していない。区観光協会の算出によると、スクランブル交差点ではピーク時で一度に三千人が渡るという。
 「渋谷御守」と名づけたお守りは、片側にスクランブル交差点を表す横断歩道が、反対側には渋谷駅前の銅像「忠犬ハチ公」が描かれている。もともとは三年前、企業のプロジェクトで学生が試作していたアイデアで、渋谷のお土産として定着させようと区観光協会がデザインを一新した。渋谷区の宝くじ販売会社「東京宝くじサービス」が「縁起を担ぐ宝くじとお守りは相性が良い」と協力。千個を製作し、四月下旬から渋谷駅周辺の四カ所の売り場で販売している。
 一方で警視庁交通総務課は、渋谷のような交差点を「待ち時間が長くなり、渋滞を誘発する恐れや、待ち切れない歩行者が信号無視をする恐れもある」とも指摘する。信号が変わっても渡り終わらない歩行者に車がクラクションを鳴らす光景も見られる。お守りの御利益を維持するためにも、交通ルールを守るのが第一だ。

「渋谷御守」が販売されている宝くじ売り場

関連キーワード


おすすめ情報

福岡範行記者の新着

記事一覧