川崎殺傷 絶えぬ献花 涙の朝 「つらかったね」「元気な子たちが…」

2019年5月29日 16時00分

児童らが襲われた事件の現場付近に手向けられた多くの花=29日、川崎市多摩区で

 児童ら十九人が殺傷された川崎市多摩区登戸新町の事件現場では一夜明けた二十九日朝、通勤通学の途中に立ち止まって頭を下げたり、献花したりする人の姿があった。 (安田栄治)
 事件が起きたのは二十八日午前七時四十分ごろ。丸一日たった二十九日午前七時半ごろ、小雨の降る中で手を合わせた女子高生(16)=同区在住=は東京都内の学校に通っている。「ここは私の通学路で、子どもたちが歩いているのをよく見掛けました。少し時間がずれていたら私も被害に遭ったかと思うと怖い。何も悪いことをしていない子どもたちがこんな目に遭って悲しい。(亡くなった子には)『つらかったね』と言いました」と表情を曇らせた。
 同じく都内の大学に通う女子大生(18)も登戸駅から電車に乗る前に現場を訪れ、飲み物を置いて手を合わせた。「この時間帯にいつも駅で子どもたちの姿を見ていた。いつも元気で礼儀正しい子どもたちがと思うと悲しくて」と涙ぐんだ。
 亡くなった私立カリタス小学校(同区)六年の栗林華子さん(11)と、外務省職員小山智史(おやまさとし)さん(39)が応急処置を受けたとされる二つの場所は三~四メートル離れ、犯行後からそれぞれに花や飲み物などが手向けられていたが、一夜明けると二つの場所がつながって一つになってしまうほど、多くの供え物で埋め尽くされた。
 現場付近に住む女性(89)は事件発生時に新聞を取りに玄関まで出たところで、被害者が苦しんでいる姿を目の当たりにした。二十九日も同じ時間に玄関に現れ、「一日たって悲しみをひしひしと感じています。働き盛りの方が亡くなったと聞き、ご家族のことを思うと何と言っていいのか。容疑者が自殺したと聞き、複雑な思いです」と話した。
 午前八時すぎには雨がやみ、青空が広がった。小山さんと親交があったというミャンマー人の女性は「小山さんは気さくで優しい人でした。両国の懸け橋として活躍していたので大きな損失です。ミャンマーからも本当なのかと連絡が絶えない。残念でたまりません」と胸を痛めていた。

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