がんゲノム医療 保険適用 検査で最適薬選定

2019年5月29日 16時00分
 厚生労働省は二十九日、がん患者の遺伝子変異を調べ最適な薬を選ぶ「がんゲノム医療」用の検査について、公的医療保険の適用を決めた。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提案し、了承を得た。既存の治療法が効かない人などが対象。全額自費で数十万円かかっていたが患者負担が軽減され、普及が進むことになりそうだ。六月一日から保険が使える見通しだ。
 検査に必要なシステムは、国立がん研究センターとシスメックス(神戸市)が開発した「NCCオンコパネル」と、中外製薬(東京都)が販売する「ファウンデーションワン」。
 いずれも一度に百種類以上の遺伝子を調べることができる。厚労省が昨年十二月に国内販売を承認した。
 検査にかかる価格はともに五十六万円。保険適用で患者の自己負担は一~三割で済む。月ごとの負担に上限を設ける高額療養費制度を利用すれば、負担はさらに抑えられる。
 対象は固形がん(血液がん以外のがん)のうち、手術や抗がん剤での治療が効かなかった人や、治療法がない希少がんや小児がんなどの患者。
 ピーク時には年に計約二万六千人が利用し、販売額は年計百五十億円規模と見込まれる。
 がんゲノム医療を提供する各地の中核拠点病院十一カ所や、連携病院百五十六カ所で患者からがん組織などを採取。専門家らが効果の見込める薬がないか検討し、主治医を通じて患者に提案する。
 厚労省は病院に、患者の同意を得た上で匿名化した検査結果を国立がん研究センターの「がんゲノム情報管理センター」に提出することを求める。情報を集約し、新たな治療法の開発につなげる。

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