親の懲戒権、削除含め議論 民法、しつけ巡り 法相諮問へ

2019年5月28日 02時00分
 必要な範囲で親権者に子どもを戒めることを認めている民法の「懲戒権」について、山下貴司法相が法制審議会に見直しを諮問する方向で検討していることが二十七日、関係者への取材で分かった。民法の「嫡出推定」の一部規定見直しも諮問を調整しており、嫡出推定が原因で、出生届が提出されない無戸籍者の解消を目指す。法制審の臨時の総会を六月二十日にも開く予定。
 懲戒権について、今国会で審議中の、親の「しつけ」名目での体罰を禁止する児童虐待防止法と児童福祉法の改正案では、施行後二年をめどに検討するとしている。
 衆院厚生労働委員会での改正案審議で、法務省幹部は「規定の削除を含め、さまざまな選択肢を視野に入れ、国会の議論を踏まえ速やかに検討する」と答弁。厚労委は削除を含めて早急に検討し、必要な措置を講じるよう政府に求める付帯決議を全会一致で可決した。
 一方、嫡出推定見直しについて、法務省は有識者らによる研究会を発足させ、議論している。
 女性が婚姻中に妊娠した子は夫の子、離婚後三百日以内に出産した子は元夫の子と推定する規定により、女性が夫と別居中、または離婚直後に別の男性との間の子を産むと、戸籍に夫(元夫)の子と記載される。
 ドメスティックバイオレンス(DV)などの事情で、夫(元夫)の子になるのを避けたい母親が出生届を提出せず、子が無戸籍となる大きな要因とされている。
 これを避けるには、嫡出否認の訴えを起こす必要があるが、現行法では夫(元夫)しか提訴できないため、母親や子も提訴できるように拡大する案が出ている。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧