<税を追う>五輪費内訳 620億円非公表 契約総額の1/3 18年度公費負担事業

2019年5月28日 02時00分
 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックで、東京都や国の公費を使って大会組織委員会が一八年度に発注した百二十四件のうち、三分の一の契約で個別の契約額が非公表となっていることが分かった。このうち三件は、契約件名や契約先すら明かしていない。非公表の契約額は、総額で六百二十億円を超え、一七年度の四・三億円から大幅に膨らんだ。巨額の税金を使いながら、依然として使途の透明化が進んでいない。 (中沢誠)
 非公表となったのは、スポンサー企業との随意契約やセキュリティー関連などの契約。組織委は「スポンサー企業は関係業務を優先的に請け負うことになっている。スポンサー企業が増えたことや大会準備の進捗(しんちょく)に伴い契約件数が増えた」としている。
 三分の一の契約額が非公表となっているのは、都や国に代わって組織委が一括で発注する「共同実施事業」。一兆三千五百億円の大会経費のうち、仮設会場の設営やセキュリティー対策、会場輸送の整備などの四千五十億円が対象。都が三千七百五十億円、国が三百億円を負担する。
 共同実施事業の一八年度決算によると、新規契約は百二十四件で、契約金の総額は千八百億円だった。一七年度の契約総額の六倍に相当する。
 組織委によると、個別の契約額を非公表としたのは、スポンサー企業との随意契約。選手村での顔認証による入退管理業務や仮設電源サービスなど計三十八件で、契約総額は六百二十二億円に上る。
 この他に、セキュリティー関連や、施設借り上げに伴う営業補償の契約計三件(総額二億円)は、「公表すれば大会運営に支障を来すため」として全面非公表にしたという。
 共同実施事業を巡っては、一七年度契約から非公表の問題が取り沙汰されていた。組織委は当初、スポンサー企業との随意契約について、契約先と秘密保持契約を結び、「事業運営上の地位が損なわれる」との理由から全面非公表としていた。都議会から批判を受け、今年一月から契約件名と契約先は公表するよう改めた経緯がある。
 組織委は、個別の契約額についてもスポンサー各社と公表に向けた調整を続けているが、交渉が長引いている。
 スポンサー企業は現在、七十社超。組織委に協賛金を支払う代わりに、東京五輪のロゴマークを使って広告を展開したり、関連イベントに参加できたりする。

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