<新型コロナ>富士山・富士宮道 今夏、山小屋一斉休業へ 県内の他2ルートは検討

2020年5月1日 02時00分

登山者でにぎわう夏の富士宮ルート。左は山頂の山小屋、右奥は剣ケ峰=2019年8月6日、富士宮口山頂で

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、富士山の主な登山道となる富士宮ルートの山小屋全九軒が今夏の一斉休業を決めた。各山小屋でつくる富士山表富士宮口登山組合は、登山道を管理する県に対して富士宮ルートを開通しないよう求めている。県内の他の二ルートでは対応を検討中で、県は五月中に開山するか決める考えだ。(佐野周平)
 県内には三つの登山ルート(富士宮、御殿場、須走)があり、富士宮は登山者の六割を占める。限られた空間に人が密集するため、利用客や従業員の安全を確保するために休業を決めた。渡辺尚俊組合長(56)は「山小屋で『3密』は避けられない。山小屋の収入だけという人もおり、苦渋の決断だった」と説明した。
 須走口山内組合は五月の連休明けに協議する予定。渡辺昇組合長(70)は「この状況で営業するのはこちらも怖い」とした上で、「収入面などから営業を望む山小屋も出てくると思う。組合で一つの方針を決めても、組合内で判断が分かれる可能性もある」と漏らす。
 渡辺昇組合長は、山小屋は登山客の安全を守る役割もあると指摘。「小さなけがや高山病などは、山小屋が対応しているのが実情。休業状態での開山は危険だと思う」と述べた。
 御殿場口山内組合は、県の判断を待って方針を決める考え。福島邦彦組合長(68)は「休業中に開山されると、山小屋周辺がゴミやふん尿で荒らされるかもしれないという不安もある」と指摘した。
 県によると、夏山シーズンの富士登山者は二十五万人前後で推移。昨年の静岡県側は八万五千六百七十七人だった。県担当者は「山小屋は緊急時の避難場所でもある。通常なら、開山と山小屋の営業はセットになる」と話した。
 一方、山梨県側は三十日、吉田ルートの山小屋十六軒が一斉休業を決めたと発表した。

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