高校生主導「子ども給食」 富士の今田さん ネットで呼びかけ支援の輪

2020年3月28日 02時00分

子どもたちに渡す弁当を準備する今田恭太さん=富士市厚原で

 新型コロナウイルス拡散で小中学校が臨時休校する中、富士市で、高校生が中心となり、共働き世帯の子どもらに手作り弁当を提供する「子ども給食」が計六回開催された。主導したのは星陵高(富士宮市)二年の今田恭太さん(17)=富士市。インターネット上で協力を呼びかけ、賛同した飲食店主や栄養士など地域の大人が活動を支えた。 (佐野周平)
 最後の提供日となった二十六日。正午ごろから富士市厚原の飲食店「あつはらおでんや」に、小中学生が続々と集まり始めた。
 弁当のメニューは、野菜の煮物などおかず三品とおにぎり、果物など。栄養士と食育アドバイザーの資格を持つ地元の大貫薫子さん(46)や、知人の中高生三人と協力し、二時間半で約四十食分を作った。
 忙しく動き回る今田さんは「完成するのは、いつも時間ギリギリ。これでも最初に比べたら慣れたほうですよ」と笑う。
 今田さんは、酷暑で苦しむ児童生徒のためにネット上で約六千人分の署名を集め、学校へのエアコン設置を市に求めるなど、以前からネットを活用した社会運動に取り組んできた。
 今回は、二月下旬に臨時休校が発表された翌日、会員制交流サイト(SNS)に「給食を楽しみにしていたり、給食以外に正しい栄養を摂取できない子どもたちにお昼ご飯を作ってあげたい」と投稿し、協力を募った。
 すると野菜を寄付する農家や調理場を提供する飲食店主など、支援の輪がどんどん広がった。大貫さんは「感染拡大のリスクを挙げ、反対する声もあった。止めるべきか応援するべきか迷ったが、本人の決意を確認し、こんな状況だからこそ応援してあげたいと思った」
 十日から火曜と木曜に実施。小中学生がマスクを着けずに来ると、今田さんはマスクを手渡し、「ごめんね。こんな時だからマスクしてね」と声を掛けた。
 一食ごとに子どもから寄付金として百円を受け取り、全六回で約百三十食を提供した。今田さんは、「多くの人の温かさに触れた。大変だったけど、やってよかった」と力強く語った。

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