フラット35、悪用105件 一括返済請求 法的措置も

2019年8月31日 02時00分
 個人の住宅取得を後押しするため低金利で貸し出す住宅ローン「フラット35」が投資目的に悪用された疑いがある問題で、住宅金融支援機構は三十日、百五件の不正と四十九件の不正疑い事案を確認したと発表した。いずれも東京都の不動産業者が関与した契約。借り手に融資残額の一括返済を求めるとともに、借り手と業者双方に対し法的措置を検討する。
 機構は完済分を除く全国約七十二万件(二〇一八年度末時点)の契約全てを点検しており、さらに多くの悪用が発覚する可能性がある。
 賃貸に出す目的で買った物件を居住用と偽ったり、購入価格を水増ししたりして融資を申し込んでいた。業者は販売実績を上げられ、ローンの借り手はうまくいけば家賃収入で返済できる手口だ。機構は「一連の手続きは業者らの指示で進められた」と認定した。
 調査によると、借り手の多くは二十代~三十代前半の単身会社員で、東京近郊の一千万~二千万円台の中古マンションを購入していた。二〇一七年前後の融資契約が大半だった。
 機構は昨年九月、外部からの情報提供で不正疑惑を把握。この業者が関わる百十三件(総額約二十三億円)の融資対象物件について、購入目的や居住実態の有無を調べた。うち百五件の不正を確認し、残り八件は調査に時間がかかっている。四十九件は調査過程で新たに不正の疑いが見つかった融資で、別の業者も関わっているという。
 長期固定金利型住宅ローン「フラット35」は、本人や親族が住むことを条件に、機構と提携した民間金融機関が住宅購入資金を融資する。機構が金融機関から債権を買い取る仕組み。国から毎年二百数十億円の補助金が投じられ、耐震性が高い物件の金利を優遇するなどしている。
<住宅金融支援機構> 1950年設立の住宅金融公庫が前身で、2007年に個人への直接融資を原則廃止して独立行政法人化された。資本金約7015億円(18年度末)は政府が全額出資。03年に取り扱いを始めた長期固定金利型住宅ローン「フラット35」を主な業務とする。監督官庁である国土交通省のOBが理事長に就任している。

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