スパコン新世代へ 京、完全燃焼

2019年8月31日 02時00分

スーパーコンピューター「京」のシャットダウンの式典。右端は理研の松本紘理事長=30日、神戸市で

 生命科学や医療、防災、宇宙などさまざまな分野の発展に活躍した理化学研究所計算科学研究センター(神戸市)のスーパーコンピューター「京(けい)」の電源が三十日、落とされ、本格稼働から約七年間の運用に幕を下ろした。世界一の計算速度を記録、最先端の研究に大きく貢献した。解体後、京の百倍の速度を目指す後継の「富岳(ふがく)」が二〇二一年ごろの運用を予定、新世代へ移行する。
 京の計算能力は毎秒一京五百十兆回。〇六年、政府が主導し約千百十億円かけ開発がスタート。大手メーカー数社が計画に参加したが業績悪化を理由に撤退し、製造は富士通が単独で担当した。
 試運転中の一一年、スパコンの計算速度の世界ランキング「TOP500」で二回連続一位を獲得、一二年に完成し本格稼働した。車が擦れ違う際の複雑な空気の流れを解析して車の開発に役立て、宇宙を満たしているとされる正体不明の「暗黒物質」をシミュレーションして謎に迫るなど幅広い分野で利用されたが、今年六月の最新版では二十位に後退した。
 三十日はシャットダウンの式典が同センターで開かれ、理研の松本紘(ひろし)理事長が「一抹の寂しさを覚えるが、富岳が精神を引き継ぎ、大発見を続けられるよう努力したい」とあいさつ。約八百六十台の計算機の電源が順に落とされていった。

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