消費者保護に独禁法 検討 巨大IT規制 公取委指針案

2019年8月30日 02時00分
 公正取引委員会は二十九日、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制指針案を公表した。インターネットの検索や通販などのサービスを利用する個人を保護するため、強い立場の米グーグルなどを念頭に独禁法上の「優越的地位の乱用」を適用すると初めて明示。購買履歴や位置情報といった個人情報を十分な同意を得ず不当に収集することを防ぐ。公取委は同日、指針案の意見公募を始めた。集まった意見を反映し、早ければ十月にも取りまとめ、指針を踏まえた運用が始まる見通しだ。
 巨大IT企業を規制する指針は初めて。取引先を保護する新法制定や個人情報保護法の改正を含めた巨大ITへの包囲網の第一弾となる。優越的地位の乱用規制は、これまで企業間での取引に用い、取引先企業への不利益強要を禁じていた。今回、利用者が巨大ITに個人情報を提供することを無料サービスの対価と位置付けることで規制対象を広げた。
 指針案では、規制対象企業を検索などのほか、動画や音楽の配信サービス、スマートフォンのアプリの配信サイト、会員制交流サイト(SNS)の運営、提供を手掛ける企業と定めた。
 利用者が不利益な取り扱いを受けても、サービスを利用するためには受け入れざるを得ない場合を「優越的な地位」と認定すると規定した。具体的には、代替可能な同種のサービスが存在しない場合や、存在しても乗り換えが手間で事実上困難な場面を想定した。
 その上で、個人情報の収集に関し「乱用行為」を例示した。利用規約などを曖昧や難解にして、個人情報の利用目的を消費者に知らせないことや、同意を得ずに第三者に個人情報を提供するなど利用者の意に反して情報を扱うケースを問題視した。
 情報漏えい対策など安全管理のために必要な措置を講じない場合や、同じサービスを継続して利用する消費者への個人情報のさらなる提供の要求も挙げた。

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