コンビニ省人化 実験続々 客対応、防犯対策…課題山積

2019年8月31日 02時00分

QRコードの読み取り機や客を撮影するカメラが設置された店舗入り口

 コンビニエンスストア大手が、店員を減らして客自身に会計してもらう「省人化店舗」の実験に相次いで乗り出している。深刻な人手不足に対応するためだが、客への対応や売り上げへの影響、防犯対策など課題も多い。 (嶋村光希子)
 ローソンは二十三日から来年二月末まで、横浜市磯子区の氷取沢町店で、午前零時から五時の深夜時間帯に通常は二人体制の店員を一人に減らす実験をしている。
 午前零時になると、売り場は無人に。店の自動ドアは閉じたままで、客はドア横に設置された装置で、事前に登録したスマートフォンのQRコードを読み取るか、顔を撮影して入店。通常のレジが置かれたカウンターはカーテンで閉ざされ、会計は客自身が「セルフレジ」と呼ばれる無人の会計装置に商品のバーコードをかざし、現金やカードなどで支払う。
 店員は売り場の裏で発注など事務作業をするほか、通常の四倍近い二十九台の防犯カメラで監視する。
 広報担当者によると、三十日までに万引などのトラブルはなく、珍しさから来店客数は通常より増えているという。一方、実験初日に訪れた横浜市金沢区の主婦高森勝江さん(58)は「女性は夜に何かあればコンビニに飛び込みたいけど、だれもいないと不安」と話した。
 オーナーの前田明さん(54)は「人件費の負担は増えており、いずれはこうした店が基本になりそう」と語る。
 しかし、夜間は客の年齢確認が十分にできないため酒とたばこの販売をやめており、「売り上げは間違いなく減る」と心配も。ローソン本部は、売り上げの変化や客の反応を検証する予定だ。
 ファミリーマートもレジを無人にする省人化店舗の実験を始めており、沢田貴司社長は「前向きに検討していく」と語る。
 背景にあるのは深刻な人手不足。経済産業省の今春の調査では、コンビニ店主の六割が人手不足を課題に挙げており、経産省も省人化店舗を後押しする。
 ただ、同様の実験を始めているセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹会長は二十八日の取材に「お年寄りが来たらおはようとあいさつするなど、コンビニは今後ますます会話の場が要求される。無人店舗はコンビニにはそぐわないかなと思う」と慎重な姿勢も見せている。

省人化のため設置されたセルフレジやスマホ決済用のレジ=いずれも横浜市磯子区のローソン氷取沢町店で

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