富士市、レーダー探査 国史跡・浅間古墳 「埋葬施設」存在か

2020年2月8日 02時00分

地中に埋葬施設があるとみられる場所=富士市増川の浅間古墳で

 富士市は、同市増川の国指定史跡「浅間(せんげん)古墳」で昨年十月に行ったレーダー探査で、地中に埋葬施設が存在する可能性が高いと判明したとする調査結果を発表した。埋葬施設は既に失われたとの従来の見方を覆す発見で、専門家からは「考古学的に極めて重要」との声が上がっている。 (前田朋子)
 市文化振興課によると、浅間古墳は、古墳時代前期後葉(四世紀中ごろ)の築造と考えられる長さ九〇・八メートル、幅五四・五メートルの前方後方墳。同型の古墳としては東海地方最大級で、地域を治めた首長の巨大墓と考えられている。国史跡には一九五七年に指定されたが、これまで墳丘部の測量調査しか行われていなかった。墳頂(盛り上げた土を平らにならした部分)には昭和期に地元の神社の社が築かれており、この造成に関連して土が削られ、埋葬施設も失われたと考えられていた。
 今回は地区住民の要望などを受け、発掘の前段階として、古墳を傷つけない形で地中レーダー探査を行った。
 波形などを分析した結果、後方部の噴頂から深さ二~二・五メートルに、長さ九・五メートル、幅六・八メートルの長方形の範囲に、石材などで囲まれた構造物があることが確認された。この位置は、他の古墳の例などから、竪穴式石室が存在する可能性が高いとみられるという。
 市の史跡保存活用計画策定委員を務めた明治大の若狭徹専任准教授は「埋葬施設が残されている可能性が高まり、構造が推定できるようになったことは極めて重要。(施設の構造から)中央政権との関係が深まったと推定される」とコメントし、今後の調査解明に期待を寄せる。
 市は近く地区での説明会を開くほか、新年度には報告書をまとめ、より詳細な3D測量やシンポジウムの開催も予定している。発掘に関しては国の史跡のため、文化庁や県などとも協議するという。

浅間古墳の地形図。赤枠の部分が、埋葬施設があるとみられる場所(富士市提供)

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