実行委、市の情報共有に問題 熱海国際映画祭 第三者委が報告書

2020年1月23日 02時00分

報告書を金井慎一郎副市長(左)に提出する坂井靖委員長=熱海市役所で(同市提供)

 多額の赤字や主催者内の対立で混乱した熱海国際映画祭の問題点を調査・検証していた第三者委員会が二十二日、報告書を熱海市に提出した。映画祭の実行委員会や市の情報共有の体制に問題があったと結論づけた。
 映画祭は、市と映画や放送関連会社などでつくる実行委員会が主催し、二〇一八年に初開催した。しかし、開催後の決算で六十一万円の赤字と当初公表しておきながら、実際は千四百万円を超えることが後になって発覚。赤字の支払いや開催のあり方などを巡って市と企画会社が対立、第二回の開幕直前に市が撤退するなどの騒動に発展した。
 報告書では、映画祭の業務執行が十分な人員体制のない一社によって実質的に行われた上、準備の進捗(しんちょく)状況や費用負担などが他のメンバーに明かされない状況があったことを問題視。「実行委員会において実態を把握できない債務を生じさせる原因」と指摘し、「業務を執行するに足りる相手方かを慎重に合理的に判断する必要があった」とした。
 また、業務執行の監査・監督役の市が、役割を果たしていなかったことや、担当職員が実行委における議論の状況などを記録に残しておらず、市長らと十分に情報共有できなかった状況にも言及。「内部で十分に共有されていれば、問題が拡大することを防げた可能性は高い」と断じた。
 多額の赤字が発覚した後の対応では、斉藤栄市長が、個人的な関係に基づき選任した弁護士とのみ相談していたことにも批判的な見方が示された。
 報告書は、第三者委の坂井靖委員長らが市役所で、金井慎一郎副市長に提出。金井副市長は「(映画祭で)当初の思いを結実させることはかなわず、期待に沿えない結果となり、顧みるべき点があったと認識している」とする斉藤市長のコメントを読み上げた。市は内容を踏まえて今後の対応を検討する。 (山中正義)

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