「リクナビ」に初の勧告 個人情報保護委 内定辞退予測販売 権利保護など求める

2019年8月27日 02時00分
 就職情報サイト「リクナビ」が学生の内定辞退率を算出し、データを企業に販売していた問題で、政府の個人情報保護委員会は二十六日、サイトを運営するリクルートキャリア(東京)に対し、組織体制の見直しや個人の権利、利益の適正な保護を勧告した。委員会の勧告は二〇一六年の設置以来初めて。データを第三者に提供する際に必要な同意を取っていなかったと認定し、個人情報保護法違反と判断した。
 勧告を受けて実施した具体的な措置を九月三十日までに報告するよう求めた。勧告は行政指導の一つで他に指導、助言があるが、勧告が最も重い。従わない場合、より厳正な処置の行政処分に該当する命令を出す。
 リクルートキャリアの小林大三社長は二十六日、東京都内で記者会見し「学生の皆さまにご心配とご迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪した=写真。リクナビに登録した学生のうち、内定辞退率の算出に用いたのは七万四千八百七十八人分の情報。実際に企業に提供した数は明らかにしなかった。データを「合否判定に使った企業は一社もない」と説明した。再発防止に向け、十月から個人情報利用をチェックする「プライバシー責任者」を置くと表明した。
 委員会は、リクルートキャリアが扱う個人情報は「学生の人生を左右し得る」と指摘した。その上で「個人情報の取り扱いで権利保護の認識が欠けていた」と厳しく批判した。
 リクルートキャリアは、学生のサイトの閲覧履歴などを人工知能(AI)で解析し、内定を辞退する確率を五段階で導き出して企業に販売していた。個人情報を第三者に提供する際は同意を取る必要があるが、サイト利用者のうち七千九百八十三人について、サイトの不備で同意を得ていなかった。不備を見つけて修正する体制もなかった。
 その他の利用者に対しては同意取得のための説明はされていたが、内定辞退率が企業に渡ると学生が理解するには不十分だったとして、適切な説明をするよう指導した。
 リクルートキャリアは既にサービスをやめている。データ購入企業にはトヨタ自動車といった大手企業も含まれていた。委員会はこれらの企業についても、データの扱いに問題がなかったかどうか調査を進めている。リクルートキャリアは外部販売とは別に、自社でもデータを利用していた。

◆予測データ購入企業

 トヨタ自動車、ホンダ、大和総研ホールディングス(HD)、NTTコムウェア、NTTファシリティーズ、アフラック生命保険、りそなHD、YKK、レオパレス21、三菱電機、京セラ、東京エレクトロン、リクルートHD、テクノプロHD、メイテック、太陽生命保険、コロワイド、ワールドインテック、ソライズエンジニアリング、アイシン・エィ・ダブリュ

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