<こども新聞>病気の子を応援したい 小学生立ち上がる

2020年5月5日 02時00分

林直生さん(上列左から2人目)らチームNHYレモンのメンバーたち=練馬区で

 小児がんの子どもたちを元気づけようと、練馬区立石神井西小学校の六、三年生八人が活動をしている。この春、予定していたチャリティーイベントは新型コロナウイルスの影響で中止になってしまったが、「あきらめたくない」との思いは強い。
 「悲しくて、さみしかった」。三年生のころ、肺炎で四日間入院した林直生(なおき)さん(11)は、当時をそう振り返った。点滴がつらいし、病気が怖かった。同じころ、妹なつのさん(8つ)も入院したこともあり、不安で夜は眠れなかった。
 翌夏、レモネードを販売して、小児がん治療研究(ちりょうけんきゅう)の寄付を集める「レモネードスタンド」に参加した。米国から日本に伝わったチャリティー活動だ。ちょうど「入院中の子どもたちの手助けがしたい」と思っていたころ。「ぼくもやってみたい」と思いを温めた。
 夏休みの課題では、小児がん支援を研究した。治療が数年に及ぶことなどを学び、五年生の時には小学生のプレゼンテーション大会で思いをぶつけて優秀賞をもらうことができた。
 でも、まだ満たされない。「実際に活動したい」と、学校でのレモネードスタンド開催(かいさい)を提案(ていあん)。実現はしなかったが、妹や仲間たちと昨年十一月、「チームNHYレモン」を結成。メンバーの関井まいりさん(11)は自らの入院経験を振り返り、「ほかの子が苦しんで泣いていた。力になりたい」と話す。
 チームは、この春の地域の祭りにレモネードスタンドの出店を申し出た。店員は何人いるか、店はどんなデザインにするか考え、試作品も作った。菅野柚香(かんのゆずか)さん(11)は「おしゃれなスタンドになるよう、工夫した」と胸を張る。
 けれど、コロナ禍でイベントは中止に。集まるのではなく、オンライン会議に切り替えて、できることを探ってきた。田村泰仁(ひろと)さん(11)は「頑張りを無駄にしたくない」、上田杏(あん)さん(11)は「患者は家にも帰れない。私たち以上につらいはずで、何かしたい」と思いやる。藤井佑樹さん(11)は「(オンラインでも)みんなの元気な姿は見える」と張り切っている。
 飲食店に募金箱を置いてもらい、売り上げの一部が寄付になる商品を売ってくださいとカフェにお願いした。都内外の六病院に、病気の子どもたちを応援する手作りカードも送った。山田虎之介さん(11)が作ったカードは、「早くいつもの生活に戻るように」との願いを込め、笑顔のイラストが飛び出る仕掛け。
 きっといつか、レモネードスタンドの店を出してみせる。チームの結束力は、コロナなんかに負けない。

◆先輩ママのリアルな声を 多胎児家庭向け冊子作成

 双子や三つ子など(多胎児(たたいじ))の家庭のグループ「ツインズエイド」が、妊娠中から生後1年の家庭向けに必要な情報をまとめた冊子「わたしたちの多胎育児」を作った。近く販売する予定。
 冊子は、出産後の生活や活用できる制度や施設、母親の心の揺れ動きなどをテーマ別に紹介。先輩家庭のリアルな声や、専門家の意見もたくさんある。
 多胎児の半分が妊娠37週未満、7割が2500グラム未満で生まれている中で、当事者300人以上へのアンケートでは、半数以上が新生児集中治療室(NICU)や回復治療室を経験していた。ある母親は、小さく産まれたことに「胸が締め付けられ、自分を責めた」が、看護師の優しさに「癒(い)やされた」とつづっている。
 ツインズエイド発起人で、4歳の双子をもつ稲垣智衣(ともい)さん(41)は、多胎児を産むのはハイリスクなのに、「納得できる情報が手に入りにくかった」と振り返る。同様に不安を抱えている人は多いはず。ましてや外出自粛(じしゅく)で人との交流が難しい今、「当事者だからこそ伝えられることがある。この冊子は、ラブレターのような思いで作った。温かい気持ちを感じてもらえたら」と呼びかける。
 1部900円、60ページ。申し込み、詳(くわ)しくは、ツインズエイドホームページへ。
 ★北区立北谷端(きたやばた)公園は、滑り台にもなる双子の山がシンボル。住民から「おっぱい山公園」や「おっぱい公園」と呼ばれ、親しまれている。
 ★練馬区立けんか広場公園。区はホームページで「仲良く使ってください」と呼び掛けている。
 ★足立区の「舎人(とねり)いきいき公園」は怖い鬼がいる!。「桃太郎」「かちかち山」など昔話にちなんだ遊具が話題。
※遊具は使用中止の可能性があります。
     ◇
 学研教育総合研究所の小学生白書ウェブ版(2019年8月調査)によると、「将来つきたい職業ランキング」の男子1位がユーチューバーなどのネット配信者となり、これまで不動だったプロサッカー選手を初めて抜いた。女子1位はパティシエ(ケーキ屋さん)、2位は保育士・幼稚園教諭。家庭内で使っている通信機器の調査では、子ども専用の機器の1位がゲーム機(28.4%)、2位がスマートフォン(11.3%)だった。ネットやSNSを使う小学生の約15%に、ネットだけでつながっている友達がいた。

◆編集後記

 記者の息子二人が通う板橋区の体育教室「わんぱくクラブ」の代表、名取雅幸(なとりまさゆき)さん(70)は、子どもたちから「ゴキブリ先生」と呼ばれ、親しまれている。
 記者も最初はぎょっとしたが、ゴキブリだって見え方は場合によってさまざまだ。足が短くたって、気持ち悪いと思われたって、きらわれたってかまわない。子どもたちに、「そのままの君でいい」と、メッセージを送り続けている。
 文と写真・中村真暁
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