飲み会専用サイト 心つかむ 新宿のWeb会社が開発

2020年4月30日 02時00分

飲み会に特化したサイト「たくのむ」の飲み会の参加者たち

 今や飲み会といえば、オンライン。在宅勤務で使われているテレビ会議システムを利用する人が多いが、飲み会に特化したウェブサービスも登場している。社員のオンライン飲み会を推奨する企業も現れ、自宅で気軽に仲間とつながる人が増えている。
 「カンパーイ!」「久しぶり」-。今月二十四日、東京都内に住むカメラマン幡手(はたで)龍二さん(30)はパソコンのカメラに向かって缶ビールを掲げた。パソコンの向こうでは大学時代の友人が缶チューハイやビールを持って笑顔を見せている。幡手さんが使っているのは、オンライン飲み会ウェブサービス「たくのむ」。幡手さんはこれまで十回ほどたくのむを利用。「前日に連絡しても集まれるので、普段、会えない友人や両親にも気軽に連絡が取れる」と楽しんでいる。
 たくのむは、飲み会を開きたい人が、たくのむのサイト上の「飲み会ルームを開設」のボタンを押して、作成された飲み会ルームのURLを一緒に飲みたい人に知らせる。決めた時間にアクセスして飲み始めればいい。アプリのダウンロードや利用者登録が不要という手軽さが受けて、三月末のサービス開始から一カ月で利用者は百万人、開催された飲み会は三十五万件に上る。
 たくのむを作ったのは、人生体験談投稿サイトを運営する新宿区のWebサービス企画・開発会社「1010(じゅうじゅう)」。同社の清瀬史(たかし)社長(30)が、遠く離れた人同士が簡単にコミュニケーションを取れるシステムを考えていた時、新型コロナが発生。外出自粛が広がり、「今こそオンライン飲み会の需要が増える」と、急きょリリースした。
 利用者からの要望を取り入れ、飲み会らしく、お開き(終了)の時間を設定できるなど機能を充実させている。今月十七日からは全国の自治体や花見実行委員会と連携し、花見を疑似体験できるように(三十日まで)。画面に宮城県石巻市、長野県上田市などの桜がランダムに映し出される。清瀬社長は「人に会えない時代だからこそ、たくのむが必要とされている。新しい文化として定着する」と話す。
 趣味の集まりでもオンライン飲み会は広がっている。都内に住むフリーライターの池野花さん(40)は、テレビ会議システム「Zoom」で日本酒好きの友人と月に数回、オンライン飲み会を開いている。それぞれが画面越しに、お勧めの日本酒を紹介。池野さんは「人と会わなくなっているので、話せる時間は大切」と話す。
 例年なら春は新しい仲間を迎える季節。在宅勤務で職場の飲み会が減る中、社員同士のコミュニケーション手段としてオンライン飲み会を推奨する企業も出ている。渋谷区の「サイバー・バズ」は、今月からオンライン飲み会手当を導入した。酒やジュース、つまみ代など飲み会にかかった費用を月五千円まで補助する。参加者は社員同士に限られる。同社は「新入社員や中途採用の社員が会社により早くなじんでもらうため」と説明する。
 文と写真・砂上麻子
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