コロナで外出できないけど… オンラインで楽しんじゃおう

2020年4月18日 02時00分

自宅にいながら、チーム合同の筋力トレーニングに取り組む鳥居さん(前)と菊池さん。手前のスマートフォンに、他の選手らの様子が映る=練馬区で

 スポーツに音楽、文学…。新型コロナウイルスの感染拡大防止で外出自粛が求められる中、インターネットのテレビ会議システムを利用して人とのつながりを保ちながら、趣味の活動を続けようという動きが広まっている。利用者の工夫と思いを取材した。
 「一、二、三、四…」。練馬区のマンションに、苦しそうな掛け声が響く。トレーニングウエアに着替えた鳥居健人(けんと)さん(28)とルームメートの菊池陵馬(りょうま)さん(30)が、自宅で筋トレに励んでいた。
 ディープスクワット四十五秒間に、足上げ腹筋二十回…。これ、実は、二人が所属するブラインドサッカーのクラブチーム「フリーバード目白台」(文京区)の合同筋トレだ。
 スマートフォンのビデオ通話で結ばれた七人の参加者が、自宅にいながら、掛け声に合わせて同時に同じ動きをこなす。鳥居さんのスマホ画面には、チームメートの様子が映し出されていた。
 この日の筋トレは二十種類。こってりしたメニューに耐えかね、「きつい!」と悲鳴を漏らすメンバーも。冗談や笑い声が飛び交った。
 チームは昨年度、東日本リーグで優勝した。しかし、練習に使っていたグラウンドが三月から使用不可に。メンバーの多くは視覚障害者で、自主トレをするにも街中でのジョギングなどは難しい。
 山本夏幹(なつき)監督(28)が「サッカーをする体と心を維持しよう」と、合同筋トレを発案した。四月から週三回、夜に一時間の鍛錬がスタートした。
 全盲の鳥居さんは「一人では、モチベーションも練習内容も限界があった。仲間とやれば手を抜けないし、楽しい」と充実した表情。弱視の菊池さんは「コロナで気分的に不安だが、チーム一丸で乗り越えたい」と話した。
 こうしたテレビ会議システムは、文化系の活動とも相性が良いようだ。ピアノが大好きで毎日練習するという目黒区の小学二年小島弓絃(ゆづり)さん(7つ)は、「ムジークフロイデ音楽教室」(同区)のオンラインレッスンを受け始めた。
 自宅でベートーベンなどを弾く小島さんと、教室の杉田晶子代表(46)をスマホで結び、杉田代表が「音をつなぎましょう」「もっと鋭いリズムで」などと指導した。
 ムジークフロイデは床面積百平方メートル以下で、休業要請の対象外。ただ約二百五十人もの生徒がおり、遠方から通う講師もいることから、従来の教室レッスンを四月から見直した。その結果、生徒の約九割がオンラインレッスンを選択。レッスン前日に生徒が演奏動画を送り、講師が事前に注意点を把握する方法も採っている。
 小島さんは「映像や音が途切れることはあるけど、こういうのも楽しい」。母親の菜摘さん(36)は「教室レッスンの完全な代替にはならないと思うが、非常時の新しい方法として可能性を感じる」と話した。
 杉田代表は「せっかく身に付けた習慣をなくしてしまうのではなく、子どもの将来のため、前向きに継続することが大切ではないか」と語る。
 本好きが集まり、感想を交わす読書会も様変わりした。丸善など大手書店と、電子書籍などを扱うネット書店が連携した「honto」主催の会は、三月からテレビ会議方式に切り替わった。
 三月下旬の課題図書は、人生の心構えを子どもに伝える「よのなかルールブック」。六組の小学生と親がオンラインで参加し、著者の高濱正伸さんに意見をぶつけた。
 コロナ禍に見舞われるまでは都内の書店の喫茶スペースなどで開いていた読書会。広報担当の森岩拓子さん(44)は「休校が続く中、親子でじっくり考える時間を持ってもらいたかった。親が普段、仕事で使うテレビ会議システムに興味を持つ子もいた」と話した。
 文と写真・臼井康兆
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

関連キーワード


おすすめ情報