明治神宮ミュージアム(東京都渋谷区) 観山の屏風 荘厳な儀装車も

2020年2月20日 02時00分

六頭曳儀装車も展示された2階の展示室(明治神宮ミュージアム提供)

 建築家隈研吾さんの設計による2階建ての建物が、参道右側の神宮の杜(もり)に溶け込んでいる。
 「今年、明治神宮鎮座百年祭を迎えるにあたり、宝物殿に収蔵されていた明治天皇、昭憲皇太后の御物(ぎょぶつ)をより良い状態で守り、後世に伝えられるよう、昨年10月に開館しました」。明治神宮ミュージアム学芸員の田中玲奈さんが説明してくれた。「傾斜のある敷地に埋め込むように建てられ、樹木も極力保全できるよう建物が配置されています」という。エントランスの広い空間から外を眺めると、杜の中にいるように思えるから不思議だ。
 1階の「杜の展示室」は、杜の「百年」「一年」「一日」「一刻(ひととき)」の4つのテーマで、神宮の歴史や年中行事、神宮職員の動きなどを紹介。参拝や手水(ちょうず)の作法もイラストをまじえて展示してあるので、本殿参拝前に見ておきたい。
 2階では大日本帝国憲法発布当日に使われた荘厳な六頭曳儀装車(馬車)が目を引く。実際に執務された御常用御机をはじめ、明治天皇、昭憲皇太后のゆかりの品々も展示されている。
 3月29日までの開館記念展(後期)では、横山大観が神宮の杜の姿を忠実に描いた「明治神宮之図」や下村観山の「桜・桐・菊・蜜柑(みかん)図屏風(びょうぶ)」などを展示。とりわけ観山の屏風は、1920(大正9)年の神宮鎮座以来、内陣に安置されていたもので、この間ほとんど人目に触れなかった。このたび新たな内陣屏風を作ることになり、その役目を終えて公開された。
 「新たな内陣屏風はすでに納められており、今後百年は人目に触れませんが、作者の手塚雄二さんの好意で納められた原寸大の下図などを展示しています。こちらもぜひ」と田中さんは話している。 (仁賀奈雅行)

◆ひとこと

 「都会の喧噪(けんそう)の近くにありながら、杜(もり)を身近に感じ、ほっとひと息つける、静かで広々とした空間もお楽しみください」と田中さん。
 ★メモ 東京都渋谷区代々木神園町1の1。JR原宿駅、地下鉄明治神宮前駅徒歩5分。明治神宮宝物殿から移された御祭神ゆかりの品々を展示。開館10時~16時30分。入館料一般1000円、高校生以下900円、未就学児無料。原則木曜休館。(電)03・3379・5875

●足を延ばせば…

 ★太田記念美術館 東京都渋谷区神宮前1の10の10、JR原宿駅徒歩5分、地下鉄明治神宮前駅徒歩3分。元東邦生命社長5代太田清蔵氏の1万2000点に上るコレクションを中心に所蔵する浮世絵専門美術館。3月22日まで「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 -朝日智雄コレクション」を開催中。入館料は展示により異なる。中学生以下は無料。原則月曜休館。(電)03・3403・0880
 ★NHKスタジオパーク 渋谷区神南2の2の1、JR渋谷、原宿駅から徒歩12分。NHKを楽しめるテーマパーク。ニュースキャスターやお天気キャスター、アニメのアフレコの体験コーナーなどが人気。入場料一般200円、高校生以下と65歳以上無料。原則火曜休館。(電)03・3485・8034

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