かんぽ不正 倍増18万件 過去5年の不利益契約

2019年7月31日 02時00分
 かんぽ生命保険の不正販売問題で、保険料を二重に徴収するなど顧客に不利益となった恐れのある契約が、過去五年で約十八万三千件になることが三十日、関係者への取材で分かった。既に判明していた九万件超から倍増する。秋をめどに調査結果の中間報告をまとめる方針で、三十一日に開く日本郵政グループの記者会見で詳細を発表する。金融庁は中間報告後ただちに、かんぽ生命への立ち入り検査に着手し、業務改善命令を含む処分を検討する。
 件数が倍増するのは、これまで一部の不利益事案で二年九カ月分だった期間を拡大し、二〇一四~一八年度の五年間の新規契約を確認したことが主な要因。半年以上にわたって顧客に保険料を二重払いさせていた疑いのあるケースは、約二万二千件から約七万件に拡大した。
 顧客の新契約への乗り換えを拒んだ事例は約一万九千件、特約の切り替えなどで対応できた事例は約二万五千件あった。
 予定利率の低い同じ種類の契約に乗り換えた件数は約二万件、一時的に無保険状態になった契約は約四万六千件だった。健康状態を事前に告知しなかったため、顧客に保険金が支払われない事例も約三千件あった。
 五年間で約千六十五万件あった契約のうち、不利益の疑いのある契約は2%弱に達した。この中には保険業法違反の契約も複数あるとみられる。
 かんぽ生命と保険を販売する日本郵便は、八月から顧客や郵便局員への聞き取り調査を行い、契約時の状況を確認する。必要に応じ契約の復元や二重払い分の保険料を払い戻す。かんぽ生命は全国に約四百人いる顧客対応のスタッフを増員して調査を急ぐ。
 対象期間を五年間としたのは、契約を復元する際、根拠となる病院のカルテ保存期間が五年間のため。対象期間をさらに広げれば不利益な契約件数が一段と膨らむ可能性もある。

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