かんぽ法令違反22件 日本郵政、株売却時に不正把握

2019年7月30日 02時00分
 かんぽ生命保険の不正販売問題で、顧客に無断で契約書類を偽造するなどの法令違反事例が二〇一八年度に二十二件発生し、金融庁に届け出ていたことが二十九日、分かった。うち三件は保険を販売する郵便局員向けの社内文書に、不適切な事例として具体的な手口が記載されていた。三件とも過大なノルマを達成するため、不正に手を染めたと説明している。
 また日本郵政がかんぽ生命株を売り出した今年四月の時点で、かんぽ生命の経営陣が不正事案を把握していたことも二十九日、判明した。政府の郵政民営化委員会の岩田一政委員長が二十九日、委員会の会合後に記者会見し、かんぽ生命幹部から報告を受けたと説明した。対応の遅れが投資家の不利益や顧客の被害拡大を増大させた恐れがあり、経営責任が問われそうだ。
 三件の違反事例は、四月に発行した社内文書「適正募集ニュース」に記載。偽造契約は、日本郵便の五十代課長が、顧客に無断で保険契約申込書を作成して手続きした。顧客に加入したはずのない保険証券が届いたことで発覚。営業実績を上げられず、大きなプレッシャーを感じていたと説明しているという。
 文書は私文書偽造罪に問われる可能性もあると指摘し、郵便局員などに適正な営業を促した。
 このほか四十代の課長代理は、顧客が病気で通院しているとの申し出を告知書に記載させず、保険申し込みを受理。四十代の主任は契約者と会わずに親族とのやりとりだけで契約した。
 かんぽ生命と委託されて保険を販売する日本郵便では顧客に不利益となる契約が九万件超発覚。現在、契約の実態を調査している。今回発覚した三件は保険業法に違反する事案で、両社は不正販売と認めている。
 日本郵政グループは、過度な営業目標が圧力となって社員の強引な勧誘や不正販売につながったとみて、日本郵便の一九年度の保険販売ノルマを廃止する方向で検討している。

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