日銀、金融緩和を維持 米利下げ確実 円高進行の恐れ

2019年7月30日 16時00分
 日銀は三十日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和政策の維持を決めた。海外経済が減速するリスクに備え、公表文に「物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)が損なわれるおそれが高まる場合には、ちゅうちょなく、追加的な金融緩和措置を講じる」との文言を加え、今後の追加緩和の可能性に言及した。
 会合では、物価を年2%上昇させる目標の達成に向けて、短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に誘導する現在の金融政策を据え置いた。国内景気は「緩やかに拡大している」との基調判断を維持し、現時点では追加緩和で景気のてこ入れする必要はないと判断した。
 しかし、米中貿易戦争を巡る景気の先行きに対する不透明感から、米連邦準備制度理事会(FRB)が三十一日の会合で十年半ぶりの利下げに踏み切ることが確実視され、各国の中央銀行も利下げに動いている。日米の金利差が縮まるとの思惑から円高が進む恐れが高まっている。
 日銀は大規模緩和による超低金利が長期化しており、金融機関の収益が圧迫されるなどの悪影響が懸念されるが、政策余地は限られている。このため公表文で追加緩和に前向きな姿勢を示すことで、円高をけん制する狙いとみられる。
 日銀が併せて発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、原油価格の下落などを受け、二〇一九年度と二〇年度の物価上昇率見通しをそれぞれ1・1%、1・4%から1・0%、1・3%に引き下げた。二一年度は1・6%で据え置いた。

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