国立競技場 静けさも 待つ歓声

2020年1月5日 02時00分

東京五輪を待つ国立競技場。奥は富士山=本社ヘリ「おおづる」から(坂本亜由理撮影)

 大都会の中心に、円の形がぽっかりと浮かび上がっていた。昨年11月に完成、東京五輪・パラリンピックで世界中のトップアスリートが躍動する舞台となる国立競技場(東京都新宿区)だ。
 江戸時代、周辺には大名屋敷が広がっていた。明治天皇崩御後の1924年、官民有志が前身の明治神宮外苑競技場を建設した後、聖徳記念絵画館や明治神宮野球場などと一緒に奉献した。東洋一の本格的な陸上競技場で、陸上競技やサッカー、ラグビーのほか、小学校の運動会でも使われた。第2次世界大戦中には学徒出陣の壮行会、敗戦後には連合国軍に接収されるなど、暗い時代もあった。その後に建て替えられ、64年東京五輪でメイン会場となった旧国立競技場は、名実ともに日本最高、最大のスポーツの殿堂として歩み続けた。
 緑豊かな新宿御苑や明治神宮から近く、普段は静けさに包まれている。地域の歴史に詳しい新宿区立新宿歴史博物館の芦崎泰彦学芸員(54)は「移り変わりの早い都会で、残されてきたオアシスでもある。これからも変わらない場所であるだろう」と思いをはせた。 (中村真暁)

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