赤坂御用地 皇室ゆかり 緑の苑

2019年5月12日 02時00分

赤坂御所や迎賓館赤坂離宮などが立つ赤坂御用地。左上は皇居、さらにその奥には東京スカイツリーも見える=本社ヘリ「あさづる」から(淡路久喜撮影)

 飲食店が軒を連ねる赤坂の繁華街からほど近い場所に、周囲の喧噪(けんそう)をよそに静寂に包まれた緑地が広がる。赤坂御用地は江戸時代は紀伊徳川家の中屋敷で、初代藩主の徳川頼宣(よりのぶ)が造営した。1873(明治6)年、皇居として使われていた旧江戸城西の丸が火災で焼失したことを契機に、当時の当主が皇室に献上し、一時は仮皇居として使われた。御用地に隣接する迎賓館もまた、徳川家の中屋敷だった場所だ。
 面積は約50万9000平方メートルで、東京ドーム10個分ほどの広さ。天皇ご一家が暮らす赤坂御所と、秋篠宮邸、三笠宮邸、高円宮邸がある。敷地内の「赤坂御苑」では毎年春と秋、各界功労者らを招いた園遊会が開かれる。春にはフジやカキツバタ、秋は紅葉のモミジなどが会場に彩りを添える。
 御用地に詳しい和歌山市立博物館館長の近藤壮(たかし)さん(48)によると、古地図などと比べると敷地の範囲や地形はほとんど変わっていない。「明治維新から間もなく皇室へ献上されたため開発を免れた。大名家の庭園がどのようなものだったかを知る上で貴重な存在だ」と話している。 (小松田健一)

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