豊洲  エネルギーから人へ

2019年12月1日 02時00分

移転から1年を経過した豊洲市場=東京都江東区で、本社ヘリ「おおづる」から(中西祥子撮影)

 タワーマンションや超高層オフィスビルが林立する東京湾岸エリアにあって、10月11日に開業1周年を迎えた豊洲市場とその周辺は建物が低く、平べったい印象だ。晴海・有明両地区に渡る道が貫き、てんびん棒を2本担いだように見える。
 市場は2016年11月に築地から移転する予定だったが、小池百合子都知事が土壌汚染対策の不備などを理由に延期。その汚染のもとと考えられたのがかつてここにあった東京ガスの工場だった。
 昭和20年代に石炭を陸揚げする埠頭(ふとう)ができ、都市ガスを作る工場や発電所などが立ち並んだ。ガスの製造過程で出る有害なベンゼンやシアンは、市場移転後の調査でも地下水から検出された。
 こうした問題を抱えながらも、街は変わり続けている。市場には国内外の観光客が訪れ、そのすぐ脇にはオフィスビルやホテルを建設する赤白のクレーンがそびえる。エネルギー供給拠点から人の集う地域へ。江東区まちづくり推進課の浅田宗さんは「居住人口ゼロだった区域に、将来は1万3000人が住む。緑化を進め、水辺を生かす街づくりをしたい」と話した。 (梅野光春)

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