葛飾柴又 寅さん、お帰り

2017年12月3日 02時00分

映画「男はつらいよ」の舞台で、柴又帝釈天(題経寺)、参道、矢切の渡しなど、下町の観光地=葛飾区柴又で、本社ヘリ「あさづる」から(笠原和則撮影)

 東京23区内なのに、ローカル線のような柴又駅(葛飾区)を出ると、有名な兄妹、映画「男はつらいよ」の寅(とら)さんとさくらの像が迎えてくれる。
 寅さんの生まれ故郷「葛飾柴又」。駅から柴又帝釈天(たいしゃくてん)(題経寺)へ延びる石畳の参道には、煎餅店、団子店、川魚料理店、土産物店などの懐かしい風情の町並みが連なる。
 柴又を全国区にしたのは寅さん、演歌「矢切の渡し」の大流行。一方、参道周辺での開発の兆しを契機に、住民たちはスクリーンに映った「昭和の柴又」を町の魅力にと下町情緒を守ってきた。
 寅さんを演じた渥美清さんが亡くなって20年余り。参道の商店でつくる柴又神明(しんめい)会の石川宏太会長(65)は「このどこか懐かしい雰囲気の町に来て、寅さんを知る若い人もいる」と話す。住民たちの努力が実り、都内初の国の重要文化的景観に選定される見通しになった。
 柴又の人たちにとって、寅さんは今も旅の途上。迷わずに、ふらりと舞い戻って来られるように、これからも下町のたたずまいや人情を、守り、磨いていく。 (飯田克志)

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