景況感悪化 消費増税、景気足かせに

2019年7月1日 16時00分
 日銀の企業短期経済観測調査(短観)で、米国と中国の貿易摩擦による企業心理の冷え込みが鮮明となった。大国同士の対立に加え、十月の消費税率10%への引き上げが、日本経済へのさらなる打撃となりかねない。
 消費税増税は、政府が六月に予定通りの引き上げ方針を正式に決め、もはや「既定路線」となっている。だが、この短観で代表的な指標である大企業製造業の業況判断が二期連続で大幅悪化となり、景気の先行きは予断を許さない状況に。増税の決行は、さらなる個人消費の落ち込みを招き、景気の足を引っ張りかねない。
 米中摩擦の行方も依然気がかり。両国は六月二十九日の首脳会談で貿易協議を再開することで合意したものの、合意と決裂を繰り返してきた経緯から、すんなりと歩み寄ることは考えにくい。
 世界経済の減速から、欧米の中央銀行が緩和方向へとかじを切り始め、円と主要国通貨との金利差が縮まるという金融市場の思惑で、為替相場は円高になりやすくなっている。景気への不安材料が増える中、安倍政権の経済政策の是非が七月の参院選で改めて問われる。 (岸本拓也)

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