<新型コロナ>寅さんの街、柴又 つらい日々 観光客6~7割減

2020年4月27日 02時00分

新型コロナウイルスの影響で閑散とする帝釈天参道

 新型コロナウイルスの感染拡大は、寅さんの街・葛飾柴又(葛飾区)の活気も削いだ。映画「男はつらいよ」の新作が昨年末に二十二年ぶりに公開され、年初から観光客が増えていたが、三月は観光施設の来場者が例年の六~七割減に。緊急事態宣言下で大型連休を迎えることになり、地元の落胆は大きい。 (加藤健太)
 春の陽気に包まれた今月中旬の日曜日。京成柴又駅前に立つ寅さんの銅像は人気の撮影スポットだが、カメラを構える人の姿はまばら。区観光協会の担当者は「観光シーズンを迎えたのに歩いているのは地元の人くらい」と寂しげに語る。
 今年はいつも以上に、にぎわうはずだった。男はつらいよの新作「お帰り 寅さん」が封切りとなった効果で、年明けから柴又の観光は好調だった。
 区によると、撮影のセットや小道具を展示する「寅さん記念館」には一月、例年の15%増となる約二万五千人が訪れた。正月ムードが一段落する二月上旬も、落ち込むどころか同40%増を記録した。

寅さん像が立つ柴又駅前もにぎわいが消えていた=いずれも19日、葛飾区で

 帝釈天参道の商店街「神明会」の石川宏太会長(67)は、当時の期待感を「東京五輪・パラリンピックもあるし、今年は盛り上がるだろうと感じていた」と振り返る。
 だが、都内での感染者が出始めた二月中旬から記念館の来館者数は、例年比で減少に転じ、三月は74%減。大正時代の趣が感じられる近くの「山本亭」も63%減となった。ともに四月一日から臨時休館しており、柴又の観光客はさらに減っているとみられる。
 団子店や料亭が並ぶ参道は、シャッターを閉めたり営業を短縮したりしている店が多い。かき入れ時のはずの大型連休も「今年は期待できない」と、店の人たちは諦めムードだ。土産物店の女性店員は「今はテレビなどで放送している寅さん作品で笑って免疫力を高めて、感染が収まったころにまた柴又に来てほしい」と話している。

店に貼られている「男はつらいよ」のポスター

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