<新型コロナ>ごみ収集 危険隣り合わせ 自宅飲食増「分別ルール守り協力を」

2020年4月25日 02時00分

自前の防じんマスクやゴーグルを着用している滝沢秀一さん(本人のツイッターから)

 新型コロナウイルス感染拡大の陰で、ごみ収集作業員がリスクと隣り合わせの仕事を続けている。現場に感染が広がれば事業を維持できなくなると、自治体はクラスター(感染者集団)対策に躍起だが、既に事業所閉鎖に追い込まれた例も。政府に衛生用品の配備を求める現場の声は切実で、専門家は「分別ルールを守るなど市民の側もやれることはある」と話す。
 「これから暑くなる。いつまで着られるか…」。都内で収集をする滝沢秀一さん(43)は今月から、防護服代わりにカッパの着用を始めた。もともとほこりを吸い込みやすい仕事だが、勤務先からのマスク支給が途絶え、自前の防じんマスクを洗って使う。車に乗るたびに手指や服を消毒するが「ウイルスは目に見えず本当に怖い」。同僚には七十代の高齢者も少なくない。
 本業のお笑い芸人の仕事が減り、週五回のペースで派遣先に向かう。可燃ごみの袋に飲料の空き容器が交ざっていると開封して仕分けなければならず、集積所にポイ捨てされた使用済みマスクも回収する。「衛生面でも治安面でも必要な仕事。医療従事者だけでなく、ごみ処理の現場にも衛生用品を」と訴える。

使用済みのマスクやティッシュが入ったごみ袋=都内で(大東文化大の藤井誠一郎准教授提供)

 東京二十三区清掃一部事務組合(千代田区)によると、政府がイベント自粛や臨時休校を要請した週の二月二十四日から四月十二日までの家庭の可燃ごみは、前年同期比で3・1%増。担当者は「自宅で飲食する人が増えたため」としている。
 品川区は十一日から「クラスター発生に備え、リスクを下げる取り組み」として、四カ所ある拠点ごとに偏っていた人員を再配置し人数を均一にした。だが消毒用アルコールの備蓄が少なくなるなど不安は続く。
 収集現場でフィールドワークをしてきた大東文化大の藤井誠一郎准教授(地方自治論)によると、街中を巡る作業には土地勘が必要で、市町村をまたいだ連携は難しいケースが多い。「外部委託が進んでそもそも人員に余裕がない自治体もある。現場がクラスター化すればサービスは維持できない」と警鐘を鳴らす。
 対処が遅れれば、街にごみがあふれる日が来かねない。藤井氏は「作業員でなくても分別ルールを守ったり袋をきちんと縛ったりするなど、協力できることはある。小さなことだがこうした積み重ねが地域社会の維持につながる」と強調した。

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