自由貿易推進焦点 G20開幕

2019年6月28日 16時00分
 二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)は二十八日午前、大阪市内で開幕した。世界経済の持続的な成長のあり方などを巡り、二十九日まで議論を交わす。米中対立の激化などで世界経済の減速懸念が高まる中、自由貿易体制の推進に向けて結束を示せるかが焦点になる。
 安倍晋三首相は二十八日昼から始まった世界経済と貿易・投資をテーマにした会合で、急速な経済のグローバル化によって生じる不安や不満が「時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立も生み出しているが、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない」と強調。その上で「世界がG20リーダーの示す方向性に注目している。今こそ自由、公正、無差別な貿易体制を維持・強化するための強いメッセージを打ち出さなければならない」と呼び掛けた。
 初日はこのほか、世界貿易機関(WTO)改革や電子データの自由な流通に関するルールづくりなども協議する。二十九日は、プラスチックごみによる海洋汚染の深刻化をはじめとする気候変動・環境問題などについて意見を交わし、首脳宣言をまとめる見通しだ。
 二〇〇八年のリーマン・ショックを機に首脳会議が始まったG20は一貫して自由貿易の推進を旗印にしてきたが、昨年開いたアルゼンチンのブエノスアイレス・サミットでは米国の意向を受けて「反保護主義」の文言が首脳宣言から初めて削除された。その後、米中対立は報復関税の応酬に発展しており、世界の国内総生産(GDP)の八割超を占める先進国・新興国が協調を維持するのは難しい情勢になっている。 (生島章弘)

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