<新型コロナ>「外出控えて」吉祥寺を巡回 苦情受け武蔵野市職員ら

2020年4月19日 02時00分

横断幕やプラカードを持って吉祥寺の商店街を巡回する武蔵野市職員ら=いずれも武蔵野市で

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、武蔵野市職員らが十七日夕、吉祥寺商店街を歩き、「外出を控えて」と呼び掛ける取り組みを始めた。先週末に「吉祥寺はいつも通りのにぎわい」などの報道が相次ぎ、市内外から市役所に苦情が殺到したためだ。一方、商店や飲食店経営者らは「既に客足や売り上げは七、八割減少している」と人出は減っていると訴え、「店の存続の危機だ」と悲鳴を上げる。 (花井勝規)
 「緊急事態宣言! できる限り外出はしないでください」と書かれた横断幕やプラカードを持った市の職員らが商店街を巡回。帰宅途中や買い物帰りの人々に「人との接触を避けることが感染防止につながります」と呼び掛けた。市は十三枚の横断幕を作り、市役所や吉祥寺駅周辺に掲げた。十九日も同様の呼び掛けを行う予定という。
 都は主要繁華街で外出自粛を呼び掛けているが、市レベルではまだ珍しい。市の背中を押したのは市内外から寄せられた七十件を超える電話だった。「『渋谷など都心部の繁華街は人出が激減しているのになぜ吉祥寺は減らないのか』という疑問や『自分たちは外出自粛に協力しているのに』という意見が多かった」と市の幹部は語る。
 一方、吉祥寺サンロード商店街振興組合の水野健造事務局長は「毎日、商店街の人出を見ているが、緊急事態宣言が出てからガクッと減り、以前の三割程度まで落ちてきている」と首をかしげる。組合加盟の百六十一店舗のうち三十一店が休業中。多くは時短営業に取り組んでいる。
 吉祥寺駅はJRや京王線の駅のほか多くのバス路線が発着するターミナル機能が高い。吉祥寺の目抜き通りに当たるサンロード商店街は周囲よりひときわ照明が明るく、買い物客に加えて通行人も多く、「構造的ににぎわって見える」と指摘する関係者もいる。

シャッターを下ろした店が目立つハーモニカ横丁

 酒類を提供する飲食店はもっと深刻だ。居酒屋など約百軒が軒を連ねるハーモニカ横丁はシャッターを下ろして臨時休業する店が相次ぎ、昼間のみの営業店も合わせ開店しているのは二十軒ほどしかない。横丁で十二軒を経営する手塚一郎さん(72)は「午後八時に店を閉めるので売り上げは85%ダウンした」と天を仰ぐ。「人件費はアルバイト従業員を減らしてしのげるがテナント賃料の負担がきつい」と嘆く。
 売り上げが80%以上減った洋風居酒屋を営む男性(67)は「急場をしのぐ」ため半年分の運転資金を金融機関から借り入れた。「うちも含め吉祥寺の街全体が存亡の淵に立っている」。収まる気配を見せないコロナ禍の先行きに不安がさらに募る。

◆新型コロナウイルス 都内の新たな感染者

 181人(男性103、女性76、不明2)(10歳未満 2、10代 7、20代 29、30代 30、40代 28、50代 35、60代 16、70代 17、80代 12、90代 5)▽総数2975人(重症55、退院120=死亡退院含む)
(18日18時半時点、都発表)

関連キーワード

PR情報

東京の最新ニュース

記事一覧