「単一」ではない多様なニッポン 新宿できょうから、移民の暮らし伝える写真展

2020年1月30日 02時00分

ニッポン複雑紀行の思いを語る望月優大さん(左)と野津美由紀さん=千代田区で

 日本の移民事情や移民文化を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」を運営する認定NPO法人「難民支援協会(JAR)」(千代田区)が三十日から、新宿区内で、これまでサイトで紹介した写真などの展示会を開く。ウェブマガジンのコンセプトは「複雑でいいし、複雑な方がもっといい-」で、写真展は日本にさまざまな人たちが暮らしていることを伝えている。
 群馬県大泉町のブラジル人学校「日伯(にっぱく)学園」で撮影された写真の女子生徒は、こちらを見つめ、今にも何かを語り出しそうだ。この写真の掲載記事には、公立学校になじめず、学園に居場所を見つける子どもたちや、ブラジル移住後に帰国し学園を経営する女性が登場する。
 「日本に多様な人々が暮らしていることを知ってほしいんです」とJAR広報部の野津美由紀さん(31)。難民支援の現場でさまざまな背景を持つ外国人と接し、社会の多様性を実感してきた。一方で「単一民族国家の日本で、難民の受け入れは困難」といった声を聞くことも。そうしたギャップを埋めるため、二〇一七年十二月に同サイトが誕生した。

群馬県大泉町のブラジル人学校の女子生徒(いずれも認定NPO法人「難民支援協会」提供)

 ウェブマガジンでは、千葉県で暮らすバングラデシュ人の家族や、浜松市での多文化共生の取り組み、国外にルーツを持つハーフの人々などの記事を、外部のライターとともに、ほぼ月一本のペースで出してきた。「自分と同様なルーツを持つ人がいると分かった」「問題に関心を持った」といった声が寄せられ、反響は大きいという。
 フリーライターで、編集長の望月優大さん(34)は「日本は、外国人を呼び込んできたが、教育や雇用などでハンディを負わざるをえない人もいる。伝えることで彼らの痛みを少しでも緩和させたい」と説明。サイトの今後について「全員で社会をつくれるよう、多様なルーツを持つ人にも書き手になってもらいたい」と話した。
 写真展は二月五日まで。、アイデムフォトギャラリー・シリウス(新宿一)で五十点を展示。入場無料。一日はイベントのため、午後三~四時の入場が制限される。二日休館。五日は午後三時まで。(中村真暁)

スーパーで買い物をするバングラデシュ人の家族

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