吉川英治記念館 青梅市に寄付 所有する法人と協定締結

2020年1月29日 02時00分

協定書を手にする浜中啓一市長(左)と吉川英明さん=いずれも青梅市で

 作家吉川英治(一八九二~一九六二年)が戦中・戦後を過ごした青梅市の自宅跡にあり、昨年三月に閉館した吉川英治記念館(柚木町)が、所有する公益財団法人吉川英治国民文化振興会(文京区)から同市に寄付されることになり、市役所で二十八日、協定の締結式が行われた。市は、吉川の命日である九月七日に記念館を再オープンさせる。 (服部展和)
 庭園を含む約五千平方メートルの土地と母屋や展示室などの建物、直筆原稿や蔵書、絵画などの資料約一万一千四百点が四月一日に寄付される。市は、これらをそのまま活用するとともに、以前はイベント時に限って公開していた母屋の内部を常時公開する。プラムポックスウイルス(ウメ輪紋ウイルス)の感染被害で伐採された庭園の梅は、再植栽する方針だ。
 締結式で浜中啓一市長は「末永く記念館を運営し、数多くの資料を次世代に引き継いでいきたい」と強調。吉川の長男で振興会代表理事の吉川英明さん(81)は、一九四五年四月に近くの山林に米軍のB29爆撃機が墜落する様子を両親と目撃したことや、友人と野球や駆けっこを楽しんだ子ども時代の経験を紹介。「思い出の場所を寄付できるのはありがたい」と話した。
 吉川は現在の横浜市生まれで、「宮本武蔵」などの代表作がある。四四年に港区から疎開して以来、九年五カ月を青梅で過ごした。記念館は七七年に振興会が開設したが、来館者の減少などにより閉館していた。

吉川英治が暮らした母屋

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