太宰治文学サロンで「トカトントン」展 新史料のはがきも展示

2019年12月30日 02時00分

「トカトントン」関連の資料15点を集めた企画展=三鷹市で

 作家・太宰治(一九〇九~四八年)が人生の後半を過ごした三鷹市の太宰治文学サロンで、企画展「トカトントン~音を巧みに、心に残す~」が開かれている。来年六月七日まで。入場無料。
 「トカトントン」(四七年)は戦火を逃れるため疎開していた郷里・青森県で執筆された作品。擬音をタイトルに使った文学史上で珍しい作品だ。
 展示されているのは、トカトントンが最初に掲載された「群像」(四七年一月号)やトカトントンの原稿(複製)など十五点の史料。熱心なファンから送られた大量の手紙の中にこの音を発見した太宰が、作品に使うために「トンカチの音を貸して」と依頼する返事を出したエピソードなど興味深い解説もある。
 中でも注目されるのは、三鷹市が八月に都内の古書店から手に入れた新史料。東京の編集者へ宛てた直筆のはがきで、四六(昭和二十一)年十月三十一日の消印がある。「私は十一月中旬に東京都三鷹町下連雀一一三に移住いたします」と書き、一時離れていた三鷹での執筆活動を再開することを伝えている。
 同サロンは一月四日まで休館。恒例の太宰作品朗読会は一月十七日午後六時、「人魚の海」を俳優の女鹿(めが)伸樹さんが、二月二十一日同、「令嬢アユ」などを文学座の八十川(やそかわ)真由野さんが行う。無料。定員二十五人で、往復はがきで事前申し込みが必要。問い合わせは同サロン=電0422(26)9150=へ。 (花井勝規)

疎開先の郷里・青森県から東京の編集者に太宰が書いた葉書には「東京都三鷹町下連雀一一三に移住いたします」と記されている(三鷹市提供)

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