家族・本人同意なら蘇生や搬送せず 終末期患者ら救急対応

2019年11月28日 02時00分

訓練で、かかり医役に電話をして、傷病者が心肺蘇生を望んでいないことを確認する救急隊員ら=渋谷区で

 東京消防庁が、心肺蘇生を望まない終末期患者らを救急搬送する際、本人と家族の同意など一定の条件を満たせば、蘇生や病院への搬送を中止できる新たなルールの運用を来月十六日から始める。「自宅で人生の最期を迎えたい」と希望する終末期患者の意思を尊重するための取り組みという。 (奥村圭吾)
 新ルールでは、救急隊員が現場で、蘇生を望まないという意思を家族から示された場合、かかりつけ医に電話で連絡する。患者が成人で、生前に本人の同意があることなどを医師から確認できれば、蘇生を中止できるようにする。患者を病院搬送せず、医師が自宅で死亡確認する。
 現在のルールでは、心肺停止した患者が蘇生を望んでいなくても、家族らが慌てて一一九番した場合、救急隊は消防法などの規定で救命活動を中止できない。
 同庁は昨年四月から新ルールの導入を検討してきた。昨年七~八月の調査では、救急要請八百十六件のうち、蘇生を望まない事例は十一件だった。今後、高齢化で増加が見込まれるという。
 総務省消防庁によると、昨年九月現在、同様の運用は広島、埼玉両県など全国約百の消防本部で行われている。
 二十七日、運用に向けた講習会が渋谷区の消防技術安全所であり、救急隊長ら約二百人が参加した。参加者らは二人一組になり、蘇生を中止する条件を満たしているか、医師に電話で確認する手順を学んだ。
 日本医科大大学院の横田裕行教授(救急医学)は講演で「患者や家族の意思に沿った救急活動が全国に広がれば」と期待を示した。

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