<東京人>大人がハマる!Eテレ テレビ連続人形劇の今

2019年9月29日 02時00分

スタジオ・ノーヴァの制作風景。人形はすべてオーダーメードだ。動かすため、裁縫に高いスキルが要求される(撮影・尾田信介)

 テレビの<連続人形劇>というと「ひょっこりひょうたん島」(一九六四~六九年)をはじめとする往年の<NHK連続人形劇>を思い出す方も多いでしょう。三谷幸喜脚本で注目された「シャーロックホームズ」(二〇一四~一五年)もその延長上にあります。
 では最も長く続いたテレビ人形劇は何か?<NHK連続人形劇>の長寿記録は「チロリン村とくるみの木」(一九五六~六四年)の八年間でしたが、なんと二十年以上も続いている人形劇があります。それがEテレの幼児・児童向け道徳番組「ざわざわ森のがんこちゃん」(一九九六年~現在、二〇一五年より「新・ざわざわ森のがんこちゃん」にリニューアル)です。このシリーズに代表されるように、人形劇は今も子ども向け番組のエース的存在と言えるでしょう。
 それには理由があります。言葉や道徳について「楽しみながら(=娯楽)学ぶ(=学習)」のが子ども向け番組の必須条件ですが、この<娯楽>と<学習>の二つの要素を同時に満たせるのが人形劇だからです。
 加えて人形劇の世界観では、姿や形、性格や考え方が違う者たちが、同じ空間の中で仲良く暮らしています。現実の大人の世界ではなかなかうまくいかないこの<共生>を、人形たちは当たり前のようにやってのけ、子どもたちはそれを見て<社会>というものの基本を学んでいるのです。
 そう考えると、子ども向け人形劇を見るべきなのは、案外今の大人のほうかもしれません。 (片岡 力)
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