フランクに美術楽しむ 25回目「極美展」上野・都美術館 来月5日まで

2019年9月29日 02時00分

極美大賞に輝いた城戸真亜子さんの油彩画「窓辺には花を」を鑑賞する来場者=いずれも台東区で

 芸術を通じアジア各国と交流を深めている一般社団法人「新極(しんきょく)美術協会」(本部・千葉県我孫子市)が主催する公募展「極美(きょくび)展」(東京新聞後援)が28日、台東区上野公園の東京都美術館で開幕した。第25回の記念展。昨年に続き芸能人の出展もあり、初日から多くの人が詰めかけた。協会が力を入れる各国の子どもの作品展示は、過去最大規模の500点を数えた。 (井上幸一)
 自由闊達(かったつ)な表現を追求するなどの理念を掲げ、協会は一九九六年に第一回極美展をグリーンヒル美術館(埼玉県川口市)で開催。以後、つくば美術館(茨城県つくば市)や現会場などで続けてきた。
 九人で始めた協会は現在、会員・会友の数が約五百人。二十五回の節目に、掛川正治理事長(77)は「権威主義でなく、フランクに美術を楽しもうと、能力や人間性を重視して活動してきた。協力してくれた皆さんに感謝したい」と感慨深げ。「展示の規模を拡大し、さらに発展させたい。子どもたち、若者、障害者の作品を増やしていく」と、先を見据えた。
 極美展では、非会員も含め全国から美術作品を募り、今回は百八十四人から寄せられた、油彩画、日本画、版画、工芸、遊印など二百六十八点を飾っている。落語家・古今亭志ん生さんや、志ん生さんを演じるビートたけしさんの絵などユニークな作品もある。
 芸能人は、画家でタレントの城戸真亜子さんが、大きな円の中に都市を描いた油彩画「窓辺には花を」で、最高賞の極美大賞を受賞。女優の山本陽子さんが日本画「黒のシリーズ」三点、根本りつ子さんがアクリル画「虹」「ピクニック」の二点を出展した。
 子どもたちの絵は富士山がテーマで、バングラデシュ、ネパール、スリランカ、モンゴル、日本(山梨県忍野(おしの)村)から各百点ずつを展示。バングラの子どもの絵を見ていた横浜市の小学三年生白石乃愛(のあ)さん(8つ)は「いろんな富士山がある。絵の具の混ぜ方がうまいと思った」と話していた。
 会場は、一階第四展示室。十月五日まで。午前九時半~午後五時半(最終日は午後二時)。一般七百円、高校生以下、六十五歳以上は無料。

アジア各国の子どもたちが富士山を描いた作品も並んでいる

◆東京新聞賞は江東の曽根さん

 東京新聞賞は、京都の紅葉の名所を描いた曽根雅彦さん(79)=江東区=の油彩画「紅葉(こうよう)の高雄(京都)」が選ばれた。曽根さんは賞状を手に「茶屋の建物をポイントとすると焦点が絞れて、紅葉を引き立たせることができた」と受賞作を説明した。
 元サラリーマンで、六十歳の定年後、江東区の文化センターで油絵を始めた。絵筆をとって二十年ほど。「旅行も趣味なので、作品は国内外の旅先のものばかり。描くと思い出がよみがえり、旅がもう一度楽しめる」と創作について語った。

賞状を手に、東京新聞賞の作品「紅葉の高雄(京都)」の横に立つ曽根雅彦さん。右隣の縦に並んだ作品は、山本陽子さんの「黒のシリーズ」

関連キーワード


おすすめ情報

東京の新着

記事一覧