東大生の視点で読む「坊っちゃん」 足立で中学生に「コツ」を伝授

2019年9月28日 02時00分

中学生に問いかけながら文学の読み方を教える大島一貴さん=足立区で

 「僕たちは文学をどう読むか」をテーマに現役東大生が読書のコツを教える講座が二十六日、足立区千住河原町の区立第一中学校で開かれた。一~三年生二十一人が参加。独自の視点で、考えながら読むなど、「東大生の読書術」に耳を傾けた。 (岩岡千景)
 ライター、編集者らを講師に迎え、学校の図書委員会が二年前から始めた出前講座の十二回目。この日は、東大文学部国文学専修三年の大島一貴(かずき)さん(23)=杉並区=が夏目漱石の「坊っちゃん」を題材に持論を述べた。
 大島さんはまず「あらすじ」に触れ、「正義感にあふれ勇気ある坊っちゃんが悪者をやっつけるイメージがあると思うけど本当にそうかな? あらすじも誰かがまとめたもの。人によっていろんな読み方がある」と、独自の視点で読むことを勧めた。
 さらに、考えながら読むコツを伝授。「小説は読者が読んで初めて意味を持つ。どのぐらい面白さを引き出すか。いわば小説はボケで読者がツッコミ。『何でこう書いてあるのか?』といろいろ考えていくと面白い」「誰が『坊っちゃん』と呼んでいるのか? 『敵』の野だいこと一緒に暮らしていた清(きよ)おばあちゃん。いい意味と悪い意味の二通りある。タイトルの二重の意味がストーリー全体にも当てはめられないかな?」などと話した。
 小説には必ず「語り手」がいて、一人称で自分のことを語る「坊っちゃん」のような小説と、三人称で「神の視点の何でもお見通しの人」が語る小説があり、作品ごとに読み方が変わることも教えた。本を読む意味を問われると「読む人は考えの軸が多いと感じる」などと応えた。
 二年の中尾玉枝さん(14)は「読者と作者の気持ちの違いを考えてみる面白さが分かった。本を読むと頭を使うし考えや言葉が広がるけど、今みんなゲームとかにハマッてて一つのモノの見方しかできなくなっちゃってるのかなと思った」と感想を語った。

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