<熱球譜>「最後まで楽しめた」 小山台3年・安居院勇源(あぐい・たけもと)投手

2019年7月28日 02時00分

1回裏を無失点に抑え、吉田大晟捕手とタッチを交わす安居院投手

 2年連続の準優勝にも「弱いチームがここまで来られて、やり切った気持ち」。決勝終了後、全6試合を1人で投げきった小山台のエースは、さばさばと語った。
 チームワークが持ち味の小山台で、チーム発足時は「史上最弱」と言われたことも。粘りに欠け、練習試合で逆転負けするなど、課題を抱えていた。日誌をつけて自らの気持ちを高め、先輩後輩なく意見を出し合うミーティングを重ねて臨んだ夏だった。
 学校に専用グラウンドはなく、定時制の授業があるため平日の練習は午後五時までと少ない。野球も勉強も、どちらもやりたくて入った小山台。電車通学の1時間も、限られた時間の使い方を練るなど無駄にはしなかった。普段はクラスのムードメーカーながら、野球となると気持ちを切り替え、一球一球に集中する姿を周囲は見てきた。
 決勝では四回に先制され、八回に追加点を挙げられた。「打たせて取ろうと思ったスライダーを打たれた」と相手打者の技術力に舌を巻いた。閉会式で、優勝校の校歌が流れた時に目が潤んだという。「最後まで楽しめた。来年こそは甲子園に行ってもらいたい」。かなえられなかった夢を後輩に託した。 (渡辺聖子)

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