<熱球譜>同世代の逸材「悔しい」 東海大菅生3年・小山翔暉捕手

2019年7月27日 02時00分

7回表1死一、三塁のピンチで、マウンドで中村晃投手(右)と話す東海大菅生の小山翔暉捕手=神宮球場で

 負けた実感が急に湧いたのだろう。観客席に頭を下げた直後、クールな表情がくしゃくしゃに崩れた。全国制覇の夢が途絶え、「結果が出なくて悔しい」とうなだれた。
 間違いなく今年のチームの顔だった。強肩強打で足もある。二塁への送球はプロ並みの速さを誇りながら、何度投げても野手が構えたグラブにきっちり収まった。周りの感嘆をよそに「いくら速くてもそれたら意味がない」と平然と言う姿は頼もしかった。
 初回の守備で、利き手の右手首を負傷するアクシデントに見舞われ、テーピングをして強行出場した。「言い訳にはしたくない」と強がったが、動かす度に痛みが走り、自慢の打撃に支障が出たのも事実。平凡に打ち上げるらしくない打撃で無安打に終わった。
 東京都選抜チームの一員として昨年はキューバに渡った。そこには、経済的に恵まれない環境の選手が、がむしゃらに白球を追う姿があった。「野球に対して貪欲になれた」と視野を広げ、一球に執着するようになった。
 この夏、打倒菅生を掲げたライバル校の選手は敗退後、「小山をめちゃめちゃ意識した」と称賛ともとれる言葉を並べた。同世代の球児たちも認めた逸材にしては、早すぎる夏の終わりだった。 (加藤健太)

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