「淵の森対岸緑地」保全へ覚書 東村山市 宮崎監督が会長の市民団体と

2019年6月30日 02時00分

覚書を手にする宮崎駿監督(右)と渡部尚市長(東村山市提供)

 映画監督の宮崎駿さん(78)が会長を務める市民団体「淵の森の会」と東村山市は、同市秋津町の柳瀬川沿いにある「淵の森対岸緑地」(通称・八郎山緑地、約2810平方メートル)の保全に関する覚書を交わした。川を挟んだ向かいには、宮崎監督がアニメ映画「となりのトトロ」の構想を練った場所の一つ「淵の森」があり、会と市が協力して下草刈りなど雑木林の環境保全に取り組んでいく。 (服部展和)
 淵の森対岸緑地は、柳瀬川の南に位置する河畔林。かつて宅地開発計画が持ち上がり、会は希少な雑木林を守ろうと公有地化を呼び掛けた。市は二〇〇七年度に緑地の西側を、一八年度に東側をそれぞれ購入し、計約二千八百十平方メートルが市有地となった。
 これを受けて二十三日に現地で覚書の締結式があり、宮崎監督と渡部尚(たかし)市長が文書を交わした。宮崎監督は「今となってはこの緑の固まりは宝物だね」と話したという。
 東村山市と埼玉県所沢市にまたがる「淵の森」も、一九九七年に宮崎監督が保全のために寄付した三億円をもとに、両市が約六千二百三十平方メートルを公有地化。会が毎年一月に実施している下草刈りには全国から大勢が訪れ、多様な動植物が生息できる環境を守ろうと汗を流している。
 会の事務局を務める長谷川悦夫さん(64)は「一帯の緑地は柳瀬川沿いに残された唯一の河畔林で、多くの人と協力しながら後世に残したい」と話している。

市が取得した「淵の森対岸緑地」(左)。柳瀬川を挟んで向かいに「淵の森」がある=いずれも東村山市で

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