金融庁、野村HDに業務改善命令 東証再編情報 漏えい

2019年5月29日 02時00分
 金融庁は二十八日、東京証券取引所の株式市場の再編に関する情報を外部に漏らしたとして、野村ホールディングス(HD)と傘下の野村証券に、金融商品取引法に基づき業務改善命令を出した。コンプライアンス(法令順守)意識の社員への徹底が不十分で、経営管理体制に不備があると判断した。野村は二〇一二年にもインサイダー取引問題で改善命令を受けており、企業風土の在り方を厳しく問われそうだ。
 野村HDは「関係する皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしたことをおわび申し上げます」とのコメントを出した。
 金融庁は今回の情報漏えいに関し、個別企業の情報ではないとして法令違反には当たらないとしたが、資本市場の公平性に対する信頼を著しく損ないかねない行為だと指摘。一二年のインサイダー問題との類似性があり、業務運営の改善が不十分とした。六月四日までに改善計画などを提出するよう求めた。
 東証は市場区分の再編について、今春の取りまとめを目指し有識者懇談会で議論していた。だが有識者懇の委員だった野村HD関連会社の研究員が、東証一部の新たな上場基準を時価総額二百五十億円以上にするといった非公開の議論内容を野村証券側に漏らしたことが発覚。野村証券の社員がその情報を機関投資家に伝えた。野村HDは今月二十四日、問題発覚を受け、永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)が月額報酬の30%を三カ月間返上するなどの社内処分を発表した。

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