都改正暴排条例成立 「みかじめ料」店側も罰則

2019年6月21日 02時00分

条例で暴排特別強化地域に指定された赤坂3の繁華街=港区で

 「みかじめ料」を支払った店側にも罰則を科す都の改正暴力団排除条例が十九日、成立した。条例で指定する暴排特別強化地域の店が対象で、自首すれば減免される。警視庁幹部は「店の取り締まりが目的ではない。『支払うと店側が罰せられる』と要求を断る理由にしてほしい」と活用を呼び掛けている。改正条例は十月一日、施行される。 (福岡範行)
 「なんだその態度は、こら」。港区赤坂三の路上で今年二月の深夜、飲食店従業員の男性が殴る蹴るなどの暴行を受けた。警視庁組織犯罪対策四課は十九日までに、男六人を暴行容疑などで逮捕した。
 赤坂では、四課が二〇一七年十一月以降、みかじめ料の恐喝容疑で地元暴力団幹部らを次々と逮捕。これにより、別のグループが勢力を伸ばそうとした疑いがあると、四課はみている。
 赤坂の別の飲食店従業員の三十代男性は、こう振り返る。「二月にはほぼ毎日、街を練り歩くグループがいた。店に『仲良くしよう』とあいさつにも来たが、断った」。改正暴排条例について、男性は「要求を断る理由が増えるのはいいこと」と歓迎した。
 ただ、夜の街のトラブル解決には暴力団も必要だとする考えは根強い。赤坂の街に十年前から立っているという別の三十代男性は「地元の暴力団の影響力で、他の地域から違法な店が入りづらかったと思う。警察に何でも相談できるわけじゃない」と漏らした。
 こうした中、長年の慣習でみかじめ料を払っている店があるのが実態だ。
 四課は一七年六月以降、銀座の複数の飲食店から、みかじめ料を脅し取ったとして、暴力団組長らを逮捕した。被害者側は公判で、他の店も払っていたとして「払っておけば無難だと思った」と証言した。
 東京地裁は、店側を怖がらせて「脅し取った」とは認めず、恐喝罪について組長らに無罪を言い渡した。みかじめ料を恐喝容疑で摘発してきた警視庁にとって、新たな対策の必要性が浮き彫りになった。
 捜査幹部は「今まで摘発してきたのは、氷山の一角だと思っている。暴力団の資金源をなくすため、店は関係を断ち切ってほしい」と協力を求める。
 改正条例では、店がみかじめ料を支払うと一年以下の懲役または五十万円以下の罰金が科される。
 警視庁は、施行までに暴排特別強化地域のある二十二区市で、飲食店主らへの説明会を開く。報復を恐れる店側に対し、警察官の巡回や電話連絡などの保護対策にも取り組む。
<暴力団排除特別強化地域> 神田、銀座、赤坂、新橋、六本木、新宿、高田馬場、湯島・上野、浅草、鶯谷・日暮里、錦糸町、五反田、大森、蒲田、渋谷、恵比寿、中野、阿佐ケ谷、高円寺、池袋、大塚・巣鴨、赤羽、北千住、亀有、小岩、八王子、立川、吉祥寺、町田

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