車業界、本格再編なるか FCA、ルノー提携交渉 米中新車市場は頭打ち

2019年5月28日 02時00分
 世界の新車市場はけん引する米中二大国の販売台数が頭打ちとなり、次世代車の開発競争も激しくなっている。こうした環境下で欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランス大手ルノーの提携交渉は自動車業界の再編を本格化させる起爆剤になる可能性もある。ルノーと連合を組む日産自動車もその渦に巻き込まれかねない。
 ▽貿易摩擦
 世界最大の新車市場、中国では二〇一八年の販売台数が前年比2・8%減の二千八百八万台。中国メディアによると、前年割れは二十八年ぶり。互いに追加関税をかけ合う米中貿易摩擦の影響で景気減速が深刻となっており、中国政府は購買力の低下に危機感を抱く。
 一八年の米新車販売は前年比0・6%増の千七百三十三万台だったが、過去最高を記録した一六年には及ばない。貿易摩擦の長期化で新車価格が上昇し、車社会でも買い控え懸念が強まっている。
 ▽巨大企業
 「自動車版エアバスの創出を目指す」。フランス紙レゼコーは、欧州の巨大航空機企業を引き合いに、FCAとルノーの提携交渉の狙いをこう解説した。
 航空機市場は米ボーイングとエアバスがほぼ二分している。自動運転や通信機能を備えたコネクテッドカー(つながる車)といった新たな技術の開発では、日本やドイツを含む各国メーカーが激しい競争を繰り広げる。
 グーグルなど米IT企業も加わり、投資効率を高めるための業界再編は必然ともいえる。
 ▽統合圧力
 一九九九年に発足したルノー日産連合では、両社が共に部品調達コストの削減や事業規模の拡大につなげ、業界内では「最大の成功例」とも評されてきた。日産前会長のカルロス・ゴーン被告は連合のトップとして、経営統合を画策していたとされる。
 ルノーは四月にも日産に経営統合を再提案。日産は改めて否定的な考えを示した。
 ただ、ルノーFCA統合が実現すれば、事業規模で日産を大きく上回り、約四割の日産株を握るルノーに対する日産側の発言力は低下しかねない。ルノーが統合圧力を強める可能性もあり、日産は経営上の重荷を背負うことになりそうだ。 (共同)

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