<新型コロナ>杉原千畝記念館 閉館の危機 リトアニア感染拡大で休業

2020年5月1日 16時00分

リトアニア・カウナスにある杉原千畝の記念館=共同(2018年1月撮影)

 【モスクワ=小柳悠志】第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに追われたユダヤ人にビザを発給した岐阜県八百津町出身の外交官、杉原千畝(ちうね)を顕彰するリトアニア・カウナスの記念館が、新型コロナウイルス流行のあおりで閉館の危機に陥っている。臨時休館で入場料収入が断たれているためで、寄付金集めで存続を目指す。
 記念館は非政府系の基金で運営され、入場料と寄付金が主な収入源。同館によると入館者の85%は日本人が占め、残りは他国の旅行者やリトアニアの学生という。
 リトアニアでは、新型コロナの感染拡大を受けて文化施設を三月中旬から一斉休業。五月十日で終わる予定だが政府が延長を指示する可能性がある。記念館が一カ月以上の臨時で休館するのは、開館二十年の歴史で初めてという。
 世界各国で入国制限が続くなか、休業期間が終わっても早期に観光客が戻るとは考えにくく、同館の担当者は「状況が好転しない限り、六月末には資金不足で運営ができなくなる」と本紙に明かす。存続に向けた寄付を募っており、ホームページ(HP)とフェイスブックで趣旨を説明している。
 今年は杉原の生誕百二十年、ビザ発給から八十年の節目に当たり、リトアニア政府は今年を「杉原千畝の年」として岐阜県を含めて日本との交流を進める考えだ。同館担当者は「岐阜県民と当館は強いつながりがあり、情報や資料共有などの協業は続けていきたい」としている。
 記念館は杉原による「命のビザ」発給の舞台となった旧日本領事館で、二〇一八年には安倍晋三首相も視察した。記念館のHPは「杉原記念館 リトアニア」で検索。

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