<新型コロナ>コロナ責任論 中国政府反発 国内議論も制限か

2020年4月24日 02時00分

23日、北京で会見する中国外務省の耿爽副報道局長=共同

 【北京=中沢穣】新型コロナウイルスの感染拡大を巡り中国の責任を問う声に対して、中国政府が攻撃的な姿勢を強めている。初動対応に対する国外からの批判に次々にかみつき、かえって反発を招いている。国内では、ウイルスの発生源について自由な議論が制限される兆しもある。
 「中国は一貫して、公開、透明、責任ある態度で対応してきた」。中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は二十三日の定例記者会見でも定番のフレーズを口にした。中国責任論をやめないポンペオ米国務長官への反論などで、今週は少なくとも七回、ほぼ同じ表現を使った。
 攻撃の対象はメディアにも及ぶ。中国の責任に言及したドイツ紙ビルトや豪紙デーリー・テレグラフ、読売新聞などが「職業上の規範、道徳、基本的な良識に反する」(外務省報道官)などと激しい言葉を浴びた。中国側は在外公館の声明や官製メディア、外交官のツイッターも競うように攻撃的なスタンスをとる。
 しかし攻撃的な言葉は各国の反発しか生んでいない。「中国がもっと情報を開示していたら、よりよい結果になっていた」(ドイツのメルケル首相)、「中国と世界保健機関(WHO)の対応に、独立した調査が必要だ」(ペイン豪外相)などだ。在フランス中国大使館は中国の正当性を訴える中で欧州各国の対応を批判し、仏政府から抗議を受ける事態にもなった。
 習近平(しゅうきんぺい)国家主席は八日の共産党の会議で「外部の環境変化に対して準備する」ように指示し、これを機に攻撃的な主張が強まったとみられる。国際社会で中国責任論が強まることに神経をとがらせており、五月のWHO総会で、非難が集中する事態を避けたい狙いもありそうだ。
 ウイルスの発生源について中国政府は「科学の問題だ」(耿氏)と強調するが、発生源は中国責任論と密接に関連するため、具体的な議論は避けているとみられる。一方でネット上では三月下旬に「発生源にかんする論文は党中央の審査なしでは発表できない」との通知の画像が広まった。通知は、当局が復旦大学などの研究機関に送付したとされ、現在は見られない。今後、中国政府が「科学」的な研究成果にも介入しようとする可能性がある。

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