米、中東和平案発表 パレスチナ、受け入れ拒否 抗議デモで衝突、負傷者も

2020年1月29日 16時00分
 【カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領が発表した中東和平案を受け、パレスチナ自治政府のアッバス議長は二十八日、「世紀の屈辱だ。この謀略は通らない。われわれは歴史のごみ箱に投げ入れる」と激しく反発した。トランプ氏の会見直後からパレスチナ自治区の一部で抗議活動が始まり、イスラエル治安部隊との衝突で負傷者も出ている。 
 アッバス氏は、米政権がエルサレムを首都と認定した二〇一七年十二月以降、一貫して米国を仲介役とした和平協議を拒否。二十八日の会見でも「エルサレムやパレスチナの権利は売り物ではない」と強調し、経済支援を引き換えにした妥協を拒否した。
 一方、アッバス氏はイスラエルとの和平交渉の基礎となった一九九三年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)の破棄や、イスラエルとの治安協力の中止には踏み込まなかった。二十九日以降に隣国ヨルダンやエジプトを訪問し、来月一日にはアラブ連盟の緊急会合に出席予定。国際社会に和平案の不当性を訴える。
 会見にはガザ地区を実効支配し、自治政府と対立するイスラム主義組織ハマスなども出席し、結束を演出した。和平案で非武装化を求められたハマス報道官は「多くの怒りを呼び起こすだろう」と非難。最近数カ月は沈静しているガザ情勢が緊迫化する恐れもある。

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